場末の雑文置き場

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「彼」と「彼女」という三人称について

2018年10月08日 | ジェンダー・家族等

男性も女性も含んだ集団を表す言い方として、「彼ら彼女ら」という呼称が使われているのを最近よく見るようになった。「彼」は男性を指す言葉だから「彼ら」というのは女性を排除しているようで適切ではない、といったような理由かららしいんだが、どうもこの呼称には違和感があって、いつまでも慣れない。

自分だったら一応平仮名にして「かれら」と呼ぶかな。女性だけの集団でも。女性をナチュラルに排除した表現でも問題ないじゃないか、という意味ではなく、そもそも「彼女」という三人称に違和感があるから。

「彼」の後ろに「女」を付けて「彼女」。つまり「彼」が基本形で、その基本形は男性を表すものとされている。女性の俳優を「女優」と呼ぶのに近い違和感を私は「彼女」に持っている(そもそも「女優」になんの違和感もないって人が大半だとは思うけど、私はめんどくさい人間なので)。

100年以上前に文語体で書かれた「舞姫」を読むと、エリスという女性が「彼」と呼ばれているんだよね。これを見るに昔は「彼女」って三人称なんてなくて、性別問わず「彼」だったんじゃないかな。推測だけど。それを言ったらそもそも「彼」だって元々なくて、外国語の翻訳のために取り入れた三人称だったはずだけど、それは本題とは関係ないので置いておくとして。

そういうわけで「彼女」なんて三人称はいずれなくしてしまって、「彼」で統一したほうがいいと思う。女性でも「彼」で。人を指す三人称にいちいち性別をつけるのは、性別からなるべく自由でありたいと思っている人間にとっては窮屈な感じがするので。

三人称にいちいち性別を付けるという発想って英語由来なんじゃないかという気がする。英語は日本語みたいにはっきりとした女言葉みたいなものはないけど、性別にこだわる言語だと思う。ヨーロッパの多くの国の言葉もそうかな?
例えば日本語なら「あの人」とか「その人」とか「~さん」みたいな性別問わない表現でいけるところが、英語だと「he」「she」、「Mr」「Ms」みたいに、いちいち性別を付けないと気が済まない。ドイツ語なんか名詞にまで性別付けてるし。
ヨーロッパ系言語のこういうところはあまり好きじゃなくて、これも将来少しずつ変わっていってくれればいいなと思っている。

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