年末に「YOUは何しに日本へ?」という番組を見た。そこで気になったのが、出てくる外国人が白人ばっかりだったこと。まあ、知ってたけど。でもあらためてそう思った。日本に来る外国人はアジア系が一番多いはずなのに何だこのバイアスは、って気持ち悪くなった。
この事象について取り上げているブログ記事(→リンク)があったので見てみたら、それを書いた人もただの白人崇拝者だった。
「YOUは何しに日本へ?」に出てくる外国人が白人ばかりで偏りがあること、そしてそれは「日本人と区別が付きやすいから」という理由はなく白人コンプレックスに起因していることに気づいていながら、その白人コンプレックスを克服しようとするつもりは微塵もないらしく、「白人はアジア人と比べ容姿も知的にも優れていることは認めなければならない」「世界の主要な文明、発明のほとんどは白人由来」「白人>アジア人という枠組みは受け入れるしかない」などと書いていた。
容姿が優れているかどうかは、完全に好みの問題。その人は白人の容姿が好みだということはわかった。私は白人の容姿に特に魅力を感じないし、東南アジア系の容姿が一番好きだ。だからそういうのは人それぞれ。「白人が美しいのは宇宙の真理」みたいに思っている人が少なからずいるが、それは単なる思い込みだ。
「世界の主要な文明、発明のほとんどは白人由来のもの」っていうのも的外れすぎる。ルネサンスの三大発明と呼ばれるものだって全部中国が先に発明しているし、古代四大文明と呼ばれるエジプト文明、メソポタミア文明、インダス文明、黄河文明、いずれも非白人文明だ。ヨーロッパはかつてはむしろ文明の発達が遅れた地域だった。
TV番組でも雑誌や書籍でもない個人ブログの記述にケチをつけるのもちょっとどうかな、と思うところはあったのだが、典型的な白人コンプレックスのサンプルだったので言及してみた。
このブログ主は反安倍で日本の植民地支配についても批判的な人のようだったのだが、そういう人でもそうなってしまうんだな。「白人>アジア人」と思っていることはこの人の批判する「ネトウヨ」と何も変わらない。
特定の国の人を侮辱したり「出て行け」って言ったりするのだけが人種差別じゃない。白人至上主義、ユーロセントリズムというのもれっきとした差別の一形態なんだけど、普段差別に対するアンテナを広げていながらこれを差別という認識を持っていない人も多いようだ。欧米出羽守はむしろ左派、リベラル派に多そうな印象があって、そのことはとても残念に思っている。
「YOUは何しに日本へ?」を筆頭として、日本のTV番組で好意的に取り上げられる外国人観光客が白人ばかりだったりすることについて、視聴率のためだから仕方ない、テレビ局は悪くないという意見もあるが私はそうは思わない。公共の電波で流すものなんだから公平性を考える義務があると思うし、そういうテレビ番組の影響で白人を過剰に持ち上げる風潮が助長されている側面は確実にあるので。