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オバマ大統領プラハ演説の検証・・・園田ブログより

2009年04月12日 | 川柳

 

             園田義明氏ブログより転載

                 ↓   ↓   ↓

         http://y-sonoda.asablo.jp/blog/cat/eu/                        カザフスタンのウラン権益


        4月5日にオバマ大統領がプラハで行った演説。
       この中のイランに関する部分を振り返っておきましょう。


「イランはまだ核兵器を完成させていない。私の政権は相互利益と相互尊重に基づく関与を追求するだろう。我々は対話を信じる。しかし、その対話では明快な選択を示すつもりだ。我々はイランが政治的、経済的に正当な地位を占めることを望む。我々はイランが厳格な査察を条件に原子力エネルギーの平和的利用の権利を認めるつもりだ。あるいは一層の孤立や国際的な圧力、潜在的核軍備競争を選ぶこともできる。」

「はっきりさせよう。イランの核や弾道ミサイルをめぐる活動は、米国だけでなく、イランの近隣諸国や我々の同盟国の現実の脅威を引き起こしている。チェコとポーランドは、勇敢にもこれらのミサイルに対する防衛施設を自国に置くことに同意した。イランの脅威が続く限り、ミサイル防衛(MD)システム配備を進める。脅威が排除されるならば、ヨーロッパにおけるミサイル防衛(MD)構築の推進力も取り除かれるだろう。」


日本ではオバマのプラハ演説が核廃絶宣言であるかのように報じられていましたが、

内容を詳しく見ると、極めて重要な発言をしていたことがわかります。

オバマはイランが核兵器と弾道ミサイルの開発を凍結すれば、
ヨーロッパにミサイル防衛(MD)システムを配備することを見直すと言った。

おそらくMD配備を警戒するロシアを意識したもの。

さらに、原子力エネルギーの平和的利用の権利にまで言及。
そのために演説の中で国際的な「核燃料バンク」の活用を提案しています。

新たな枠組みとして、核燃料バンク(nuclear fuel bank)が再浮上。

この提案は事前にイランに通達されていた模様。
そして、成否の鍵を握る存在に浮上してきたのはカザフスタン。

オバマ演説の翌日(4月6日)には、
イランのアフマディネジャド大統領がカザフスタンのナザルバエフ大統領と会談。

ナザルバエフはカザフ国内で核燃料バンクを創設することを提案しつつ、
イランの原子力平和利用の権利を承認すると語っています。

旧ソ連のカザフスタンのウラン埋蔵量は世界第2位。
石油も天然ガスもレアメタルも豊富。

カザフはロシアと良好な関係を維持しつつ、
日本、中国、フランスと積極的な原子力外交を繰り広げています。

中でも突出しているのが日本。
日本はこの10年でカザフからのウラン調達比率を現在の1%から30~40%と拡大したい意向。
日本企業も続々進出中(画像参照)。

オバマのイランへの提案も日本の働きかけが大いに影響していたようです。

こうした動きが気になって仕方がないのは原子力大国のおフランス。
フランス通信社(AFP)は、外務省のベテラン3人がオバマ演説直前に訪米していたことをスクープ。

外務省の鈴木敏郎・中東アフリカ局長と城田安紀夫・イラン大使はワシントンで会談。
4月2日には国家安全保障会議(NSC)の政策立案者にも会っていたとか。

また、外務省で北米局長、そして中東和平担当特使などを歴任した有馬龍夫が、
4月4日から4日間の日程で訪米。
ジョージ・ミッチェル元上院議員(民主党)との会談も含まれていると報じています。

有馬龍夫は現在三菱商事取締役。
三菱商事顧問の高島正之は日本カザフスタン経済委員会会長。

ジョージ・ミッチェルは04年から07年までウォルト・ディズニー・カンパニーの取締役会会長。
そして、現在はオバマ政権の中東特使。

カザフには核燃料バンクと並んでディズニーランドも配置されるのでしょうか(笑)

日米両国は核燃料バンクの枠組みにイランを取り込むことで核兵器の脅威を封印。
これにはロシアの協力も不可欠とみて、MD配備中止の餌を投げ込む。

日本としては米国を核燃料バンクの推進役に担ぎ上げて、
あわよくばオバマ政権下でのグリーンな原発ブームを目論んでいるのでしょう。

イランの弾道ミサイルの脅威も封印すべく、
日本はイランに対して北朝鮮とのミサイル技術協力凍結を迫るべき。
あわせて中国にカザフのウランをちらつかせて、北への援助見直しを約束させる。

これで北朝鮮経済は完全孤立。金正日体制崩壊は時間の問題へ。

このシナリオをぶち壊す可能性があるのはイスラエル。
イスラエルがイランの原子力エネルギーの権利を認めるとは思えない。
当然、核燃料バンクに対してそっぽを向く可能性大。

日米はイスラエルをうまく手懐けることができるのでしょうか。
早くも騒ぎ始めた親イスラエルのネオコンの動きも気になるところ。

カザフスタンのウランをめぐる核ゲームに注目を!


<関連記事>

REMARKS BY PRESIDENT BARACK OBAMA
Hradcany Square
Prague, Czech Republic
http://www.whitehouse.gov/the_press_office/Remarks-By-President-Barack-Obama-In-Prague-As-Delivered/

Uranium and Nuclear Power in Kazakhstan(画像引用)
http://www.world-nuclear.org/info/inf89.html

Japan, US talk on new opening with Iran
http://www.google.com/hostednews/afp/article/ALeqM5i-NJAAjNh55WEjfH65_b6g9_nLBw

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