小字(こあざ)には、方言が使われる場合がけっこうあるようで、それらしいものを拾ってみました。たくさんあるのだなあと、新鮮な驚きを覚えました。「改訂水戸の町名」にある小字です。
①「い」と「え」の混用
向河原(むかえかわら 旧・常盤村)、囲裏(かこえうら 旧・緑岡村見和)、真生枝(まないだ 旧・吉田村吉沢)等
これはそうとうたくさんあるようです。「い」と「え」の混用意外にもいろいろな混用があるようです。写真は、江戸末期の窯跡が出土した囲裏窯跡遺跡(見和1-356-14)の発掘調査後の様子です。
②濁音化(だくおんか)
水戸道(みどみぢ 旧・緑岡村小吹)、当婦(どぶ 旧・吉田村吉沢)、松山(まづやま 旧・緑岡村見川)等
茨城弁はきたないなどといわれるようですが、この濁音を多用するというのも一因なのでしょう。
③促音化(そくおんか)
楮原(こおぞっぱら 旧・渡里村田野)、立原(たちっぱら 旧・渡里村渡里)等
促音は、小さな「っ」がついて、つまる音だそうです。短く言うというメリットがあるのでしょう。
④撥音化(はつおんか)
東田(ひがんだ 旧・飯富村岩根)、蟹沢(がんざぁ 旧・山根村谷津)等
撥音は、「ん」と書いてはねる音だそうです。これも言葉を言いやすく短くする傾向から使われているのでしょう。「蟹沢」は、「蟹(かに)」が濁音化、撥音化し、沢が「ざぁ」になっていて、複合的になっているようです。
⑤省略
少々内(しょしょじ 旧・上大野村中大野) 、小塙(こばな 旧・酒門村谷田)等
これも短くしようとする傾向からなのでしょう。「小塙」は本来なら「こはなわ」なのでしょう。濁音化と省略が混じっているようです。
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