丹下安二郎は、1920年に丹下鉄工所を創業、ハイエンドのフロントフォークの生産を開始しました。1950年堺市に移転と共に富士金属工業を関連会社に収めました。1957年TANGE Industries .LTDに社名を変更、翌年JIS認証を取得、ハイエンド鋼との合金製フロントフォークの生産を続け、1974年ハイエンドパーツやフレームコンポーネントの開発と製造を始めました。
1979年息子の丹下道明が「丹下精機」を別会社として創業、ヘッドセットとボトムブラケットの製造を開始しました。丹下精機は2製品の製造に特化し、米国・欧州市場にも進出しました。2製品を除くフレームコンポーネント製造を専業とした丹下は、1992年TANGE.Incと社名を変更、その後国内生産を中止し、TANGE台湾に事業を移転しました。
本カタログは1976年頃のもので、丹下道明氏が丹下精機を創業する2、3年前のもので、ヘッドセットやボトムブラケットの製品説明が、まだ掲載されております。フロントフォーク項目の中に「株式会社丹下鉄工所が創立55年を記念して……クロモリのハンドメイドフォークの生産を開始」とあり、創業1920年の時期と一致します。また、1957年に社名変更とのことですが、このカタログ中丹下鉄工所の名称を使用しています。
当時、欧州各国の自転車メーカー・フレームビルダーがしのぎを削る中、海外への輸出攻勢に注力を開始した国内フレームコンポーネントメーカーの意気込みが感じられるカタログになっています。
(2022.1.31)
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