卓袱台の脚

団塊世代の出発点は、狭いながらも楽しい我が家、家族が卓袱台を囲んでの食事から始まったと思います。気ままな随想を!

アニメ「浪江町消防団物語 無念」を見てきました!

2016年06月15日 10時40分21秒 | 映画

 アニメ「浪江町消防団物語 無念」を見てきました!

 

 

写真作家・管野千代子先生より ゛ 自主上映会 ゛の案内パンフレットの入ったお手紙を頂きました。「お住まいの近くかな…? と思いましたので案内させてもらいました。アニメは、最近完成したらしいので、興味があれば、どうぞ!!」とのことでした。

 

5月の連休明け、Web検索中に「浪江町消防団物語 無念」が、偶然にヒットしました。制作概要を知り、是非見てみたいと思いましたが、検索した上映日は、゛5月22日・下北沢 ゛でした。生憎、他用と重なっていましたので、必要項目にチェックだけはしておきました。その時点で、アニメのHPより上映予定会場を調べれば、先生の案内に、即たどり着けたはずでした。

 

 

(「浪江町消防団物語 無念」の開催パンフ)

 

 

6月12日、上映会場は、平成17年3月末で閉校になった小学校を市民センターとして活用している所でした。事前に申込み連絡を入れておりましたので、スムーズに受付できました。多目的室と名付けられた「教室」の一室は、ロールスクリーンを正面に、回りを暗幕代わりのカーテンで覆われて、椅子が40脚ほど並べられています。コーナーの一角には、東日本大震災と熊本地震の募金箱が置かれ、手作りの自主上映会そのものです。

 

主催の特定非営利活動法人の代表の方の挨拶がありました。会場は、主催者側と来場者で25名ほどの入場者です。やはり、年齢層は高く、゛ なまり ゛のある話し声も聞こえます。

 

「三郷市は、広野町と相互応援協定を結んでおり、3.11の被災者を市民センターに受け入れた折、私達はボランティアとして、(被災者の)子供達の遊びの場を提供し、ケアにあたってきました。原発被災者でもある町民達の努力で作り上げられたこのアニメをご覧頂いて、その災禍を思い起こして、忘れないようにして下さい……」

 

 

(上映会場の瑞沼市民センターの多目的室)

 

 

被災者の生の体験と声を基に作られた実話のアニメは、誠に考えさせられる内容でした。私達の前に座った70絡みのご夫婦の奥さんは、目頭をぬぐっていました。アニメの元絵を描かれた広島の関係者の方の画面は、素朴で味わいがあり、深みのあるモノでした。商業ベースの見栄えの良い完成されたスクリーンではありませんが、脚色のない真実の雰囲気が、見る者を引きつけました。原発被害の表現について、私は少し物足りなさを感じましたが、「無念」の心情を、このアニメを見た人達それぞれが考え、思い巡らすことだと思います。

私は、アンケートに「(津波・原発に)被災されて、あの時のことを忘れたいと思っている方々に今一つ、見て頂きたい」と書きました。未曾有の天災と、未曾有の原発人災を実際に体験した、せざるとにかかわらず、3.11のその時に生きていたすべての日本人は、そのことを伝える責務を負ったと思います。

 

平成28年3月のある日、「河北新報 on line news」が次のように伝えておりました。

 

「東日本大震災と東京電力福島第1原発事故により被災した福島県浪江町請戸地区で、捜索活動に当たった消防団の苦悩を描いた紙芝居「無念」が、アニメーション作品となった」、「……津波で多くの家屋が流され、消防団が懸命の捜索を始めた。翌日、福島第1原発が爆発。がれきの下で多くの人が助けを待っていると知りながら、捜索を断念せざるを得なかった。約50分間のアニメは実話を基に消防団員の心の葛藤を伝える。津波や原発事故直後の混乱、現在も続く風評被害、自主避難者の苦悩など福島の断面を伝えるシーンも多く盛り込まれた」

 

制作者・配給側の要望として、「゛ 無念 ゛のDVDは3~6月に上映を開催する団体(10人以上)に貸し出す。制作者側は鑑賞後のアンケートに協力を要請している。3月中の申し込みは無料…」(河北新報・上記と同日の記事)と案内していました。

 

鑑賞後、アニメの公式HPで「上映予定」を見たところ、3月5日から6月30日の間、日本各地の場所で、150近い上映予定が組まれていました。その中に、本日の上映会場もありました。

 

 

P.S.

 

劇中、町民の方が、ある食堂に入って ゛ 天丼 ゛を注文する場面がありました。暖簾の食堂名も「チラッ」と見えましたが、外観の作りは、「大室屋」さんのようにみえました。

 

平成15年4月、浪江町内を訪れ、昼食の場所を探していました。JAの駐車場?…と思われる場所に車を置いて、道の迎え側の交差点際の「大室屋」と暖簾に書かれた店に入りました。私は「かけそば」、Kは「ラーメン」を注文しました。店内は、随分古い作りで、入ると薄暗い中、正面には二階への煤(すす)けた階段がありました。刻みネギとだし汁が器からはみ出さんばかりの「かけそば」は、実に美味しく感じました。余りの強い印象に、後からメモを残したくらいです。

メモの中に、「壁に貼り付けられた ゛ 福島県浪江町案内図 ゛(復刻版)のレトロな宣伝の中に「大室屋」の名前があり、「印刷 大正八年六月」とありました…」の記述もあります。

 

 

(劇中の食堂は もしかしたら「大室屋」?)


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