2020年「A&Kの菜園日記」冬野菜の準備(6)絹さやえんどうの播種
「種苗法は、品種の育成者の権利を守るための法律だ。農業版の著作権のようなものだ。育成者権を得るために、育成者は農林水産省に品種登録の出願をする。「登録品種」になった育成者は、その種苗や収穫物、一部の加工品を利用する権利を専有する。育成者以外の人が、登録品種を事業として使うには、育成者の許諾が必要だ。このため販売される登録品種の種苗には、通常、育成者への許諾料(ロイヤリティー)が含まれている。
品種の登録期間は、最長で25年または30年(果樹や鑑賞樹といった木本の植物のみ30年)だ。期間が過ぎたり、育成者が毎年払う登録料が払われなかった場合は、登録が取り消される。そもそも登録されていない品種や(伝統的栽培種やあきたこまち等)登録が取り消されたもの(はえぬき とちおとめ等)は「一般品種」と呼ばれる。種苗法の対象は「登録品種」のみで、家庭菜園のような自家消費が目的の場合は対象にならない。
「種苗法の一部を改正する法律(令和2年12月2日成立)」で改正になり、令和3年4月より一部が施行される主な内容は2点だ。
① 農家による登録品種の「自家増殖」に育成者の許諾が必要になる。
② 育成者は登録品種を許諾なく輸出できる国や栽培地域を指定出来る。
※自家増殖……自家採種や接ぎ木などにより収穫物から次の世代を生み出すこと。種イモや挿し木も同じ。
農家による自家増殖は自由であったので、許諾制に変えるのは「農家の権利を制限するのはおかしい」として、反対の声が上がっている。
育種家は大きく公共団体(国・県)、民間企業、個人など三つに分かれる。多くの都道府県は、産地振興のため魅力的な品種を競って生み出してきたが、地域限定栽培のものが地域外に広がり、甚だしくは海外で産地化されている。果樹とイチゴの流出が特に多い。
品種の登録は国毎に行われるため、海外流出対策として海外での品種登録も行われているが、労力もお金もかかる。そもそも日本からの流出を阻む手段として改正に至ったというのが、農林水産省知的財産課種苗室の説明だ。農業分野では知的財産権があまり重視されてこなかった。一品種を生み出すのにふつう10年はかかるが、育成者が得られるインセンティブ(見返り)は余りに少なくなかったか。
シャインマスカットは、開発に13人の研究者が18年を要した。親系統の開発から数えると実に30年以上かかっている。種苗室によると、成木では1本当たり年間20万円近い売り上げを生むが、苗1本当たりの許諾料は1回きり60円程度という。
和牛について、遺伝資源が海外に流出するのを止めるため2020年3月法改正と新法が提案され、10月施行された。育成者へのインセンティブが高まり、優れた品種の開発が活性化するほど農家は恩恵を受ける。」
(「マイナビ農業」(2020.12.8) 話題の種苗法改正って?(ジャーナリスト 山口亮子))
種苗問題は、国家の存亡に関わるほどの案件と述べる関係書もある。家庭菜園を楽しむ者の一人として、世界的に寡占化されつつある農業コングロマリットによる種苗問題は、播種しようとする種袋に記載された様々の生産国を見ても憂慮される。
12月7日 絹さやえんどうの播種 11;30~16:00
畑作業はタマネギ苗定植の11月14日以来なので、3週間ぶりです。スポルティーフをロード仕様に戻し、新しい車輪を手組みしたことで、自転車に係りっきりになりました。手組ホイールで走行300kmほどになりましたので、本日の作業を終えた後、前後タイヤの交換入れ替えとリムの振れ取り・スポーク張力を調整する予定です。
11月末までに播種予定の絹さやえんどうは、本日になってしまいました。辛味大根や青首大根、チンゲンサイ・タアサイ、春菊・小松菜・水菜などを収穫する中、落花生の跡の僅かな場所を整地、カキ殻石灰・苦土石灰・油かす・牛ふん堆肥を撒布し、高畝を立てました。
(12月7日「中の畑」大根類や葉物野菜を収穫しながら絹さやの播種準備 A )
(12月7日 落花生収穫跡を再耕起 A )
(12月7日 落花生跡に肥料・堆肥4種撒布)
(12月7日「中の畑」肥料すき込み・畝を立てる A )
種生産地アメリカ、チウラム剤処理済の「赤花つる有り絹さやえんどう」種(28ml)を1畝に2条筋播きで、すべて播種しました。青い種の(チウラム剤)表記について、検索しました。
「薬剤処理の表記については「種子につく可能性のある病原菌」と「土壌から感染する病原菌」から守るために施されており、「立枯病」、「つる割れ病」など(薬剤や野菜種により異なる)を防除し、健全な生育を促し、周囲の野菜への感染を防ぐためにも施されています。チウラムは殺菌剤の他、鳥に対する忌避剤として農薬用途に広く用いられている化合物」
と言うことです。無農薬・有機栽培を旨とするAですが、購入する種の薬剤処理までは気が回りませんでした。改めてこれを機に、種選択の余地は残されたと思っております。
(チウラム剤処理の青い絹さやえんどうの種)
(12月7日「中の畑」に播種した「絹さやえんどう」の種袋)
(「絹さやえんどう」の播種1畝2条筋播き A )
Kの要望でサトイモの収穫を4株ほど行いました。サトイモは、霜が降りる前の収穫が良いとされていますので、12月中にすべての株を収穫予定です。今年は、来年に向け種イモの保存にも挑戦するつもりですので、掘り起こして貯蔵するか? 畑に置いて盛り土・敷きワラなどの保温対策を講じて保存するか? 検討中です。収穫のサトイモは、皮を剥いた後冷凍保存も利きますので、畑で大雑把な水洗いで泥を落とし、子イモを親イモから取り分けた後、持ち帰ります。サトイモ収穫には、スコップで子イモを取りこぼさないよう大きく掘り起こしますが、案外、湿地好みのサトイモに付いてくる泥の除去には、手間がかかります。泥水や子イモに付着した泥は、極力、畑の中で処理しました。
(12月7日「中の畑」サトイモの掘り起こし A )
(サトイモの収穫 畑で水洗い・泥を除去 A )
(水洗い後親イモから取り分けた子イモ A )
11月13日、14日とタマネギ苗定植のため「道沿いの畑」を耕起しましたが、1/3は手付かずでそのまま残っていました。
菜園お仲間より45L×2袋分の落ち葉を頂いておりましたので、来年3月ジャガイモ植付け予定の「道沿いの畑」の残り1/3を前もって耕起、落ち葉を入れて土作りをすることにしました。タマネギ定植の折にも記しましたが、夏のカボチャ栽培よりそのままの畑ですので、踏み荒らされ固く締まって荒起こしには、またまた難渋しました。僅か2m×3.5mのスペースに2時間を費やしました。桜が主な落ち葉1袋は、結構ボリュームもあり、冬越しですが良い堆肥になってもらえそうです。
(「道沿いの畑」荒起こしに難渋ジャガイモ予定場所 A )
(12月7日「道沿いの畑」桜の落ち葉45L×2袋を頂く A )
(来年3月ジャガイモ予定場所に落ち葉をすき込む A )
家事を終え応援に駆けつけたKの作業は、いつもの除草でした。「中の畑」に9月28日に播種した冬野菜8種類は、青首大根を除いて1ヶ月前より収穫、食卓を賑わせておりますが、中々除草まで手入れが行き渡りませんでした。寒くなった時期ですが、雑草は力強く、とどまるところを知りません。畝間の除草は、冬野菜の生育には必要な作業です。
(12月7日「中の畑」除草に精を出す K )
「道沿いの畑」の荒起こしの最中でした。何かが足下で跳ねたように見え、目をこらしましたが分かりません。長靴で土を踏み砕くと、また跳ねました。土気色の保護色に変身したアオガエル? でした。冬眠に入ったばかりのところを起こしたみたいです。カメラをズームさせると「何で起こす!」というような目で睨んでいるみたいです。「ご免なさい!」という思いで、1枚撮らせてもらいました。
(分かりますか? 保護色になったアオガエル)
11月14日に350本強を「道沿いの畑」3畝に定植したタマネギ苗(ネオアース)は、何とか生き延びているようです。越冬するタマネギ苗は、いつ見ても弱々しく・か細く見えてしまいます。何本かは枯れてしまいますが、春を迎え結球する頃より、みるみる逞しく、林立する緑の葉の美しいこと、その強さをAは20年前より知っています。
(12月7日「道沿いの畑」期待しています タマネギ君! )