二泊三日 城下町 西尾の旅 (四)
11月9日、朝食後、民宿「魚増」を8時半に出立、3時間掛けて、予定の観光と撮影を終えました。雨は、心配ありませんが、相変わらず雲は厚く、西港発12:30の一色行き渡船から望む三河湾は、ガスが掛かったように靄っておりました。
一色港「船のりば」へ予定通り着岸、昨日、下見済みの道筋を進みます。
(①13:00佐久島から着岸の渡船「はまかぜ」)
(11月9日 昨日の下見通り バス停「三河一色」へ)
私は、ウナギが好きなので、「一色町は、日本の生産量の約四分の一を出荷、市町村単位では、昭和58年から生産量全国一位」という記事を目にした時、「数年前より言われている ゛ シラスうなぎの不漁 ゛による、今の養殖ウナギの様子は、どうなっているのだろう?」と、思いました。
「うなぎの種苗(シラスうなぎ)を、すべて天然資源に依存している」という、空恐ろしい現実は、まぐろの養殖が成功している今日、非常に心配になることでした。
ウェブサイトで、こんな内容を見つけました。
「……2010年(平成22年)以降、我が国におけるシラスウナギの不漁が続いているため、ニホンウナギの資源状態や、今後の動向が注目されている。また、シラスウナギの不漁は、養鰻業界を始めとする我が国のウナギ関連業界にとっても、大きな問題である……、……ウナギの資源管理については、親ウナギの由来(どこの国の周辺水域から、どの程度来遊したものか)を解明するとともに、関係各国と歩調を合わせて、取り組むことも必要である。さらに、養鰻業者が、取り組むことが出来る資源増殖手法として、ニホンウナギの放流が行われているが、これについても、効果を検証しつつ、より増殖効果が上がる放流手法、放流個体育成手法の開発に、取り組む必要があろう……」
『水産総合研究センター、ウナギ総合プロジェクトチーム 「ニホンウナギの資源状態について」』
゛ あの手、この手で何とか良い方策を… ゛ということなのか、世界でも特にウナギを好み、生活にウナギ文化が定着した、日本の調査・研究が、注目されるのは、当然のことでもあるのでしょう。
(②一色悪水路・堤防から 養鰻ハウスを望む)
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電動水車の音が響き、養鰻ハウスが建ち並ぶ畑の中を歩いて行くと、廃棄された施設や、太陽光パネルに転換されて、土底が見えている、広大な養鰻池跡が、現れました。
(③廃棄された養鰻施設)
(④養鰻池跡地には太陽光パネルが林立)
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養鰻ハウスが建ち並ぶ、さして広くもない道沿いに、忽然と広大な日本庭園が現れ、地元大手うなぎ生産加工業者が、6年前に開店した、うなぎ割烹店「三水亭」が、紅い幟をはためかせながら、建っていました。
(⑤広大な跡地に うなぎ割烹店が大駐車場と共に)
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「三水亭」の先400mほどに、1年前に開店した、やはり地元の生産加工業者の「うなぎ工房」・「うなぎの兼光」があり、私は、そちらを今日の昼食に、予定していました。
まだまだ新しい店内は、20席ほどのカウンターと、同数位のテーブル席、奥には、個室もあるようです。カウンターの背後は、長さ10mもあるかと思われる、ガラス張りの「焼き台」が並び、備長炭で焼く、焼き方さんの様子が、お客よりしっかり見える仕組みです。
メニューの「うな丼」は、松(8/6尾)・竹(6/6尾)・梅(4/6尾)と三種類、¥2,650、¥2,150、¥1,650で、 ゛ 炭火手焼き ゛と、但書きが付いております。私の注文した「松」には、 ゛ ご飯の中にもうなぎ2切れ入ってます ゛と、追加の但書きも、ありました。
焼き方は、蒸さずに焼き上げる「関西風」で、5分と待たずに、丼(どんぶり)が出て来ます。どうやら、ガラス越しに焼き方さんが来客の様子を見ていて、注文の内容により、適時対応しているようです。゛ パリッ ゛と焼け、甘辛タレが絡んで、しっとりとしたうなぎは、最高でした。1時半過ぎの店内は、落ち着いた雰囲気で、お運びさんの接客も、丁寧で、しっかりしています。
(⑥生産者直営店「うなぎの兼光」の入り口)
(⑦関西風うな丼(松) 味も良く お店もきれい)
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店横の駐車場際には、電動水車が一基、勢いよく回っている、小ぶりな建物がありました。観光客を対象とした、観光用?「養鰻場」のようです。また、その裏一帯は、さびれたビニールハウスが何棟かあり、涸れ上がった池底には、ペンペン草が生え、廃棄されたと思われる水車が、2、3基放置されていました。
(⑧店横にあった観光用?と思われる養鰻場の電動水車)
(⑨さびれたビニール養鰻ハウスの中)
「シラスウナギ」の不漁は、思いもよらぬ地域産業への打撃を与えていました。テレビのニュースや報道メディアを通じて、知ってはいましたが、「高いうなぎは、食べなきゃ…いいや!」という、単純な問題では、ありませんでした。西尾市のHPには、「シラスウナギ」の不漁ばかりでない問題点を複数指摘して、説明してありました。
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バス停「三河一色」のバス転回所が、ずいぶん広く、扇の要(かなめ)状の所にあることに、何だろうかな?…と思い、仕切り柵の中へ入ってみました。ホーム跡があり、レールの敷設跡とおぼしき雑草地が、左右に伸びていました。
2004年4月1日に廃駅、2008年駅舎解体になった、名鉄三河線の「三河一色駅」の駅跡でした。
(⑩廃駅になった名鉄三河線「三河一色駅」跡)
(旧「三河一色駅」転載自由とあり使わせて貰いました)
14:38発のバスで、市内に向かいました。