2017年 清流の恵み イワナの骨酒(2)
5月13日、4、5日の積もりの「三段干し網」に入れたイワナとヤマメでしたが、私の無精で9日目にもなってしまいました。ヤマメは、大分カラカラになり堅い干物状態ですが、幾分身の厚いイワナは、柔らか味が残っていました。
(干し網に入れて丁度1週間後のヤマメとイワナ)
キャンプ用の「セラミックコンロ・ザ シチリン」を持ち出し、炭火焼きの用意です。
七輪は、普通珪藻土で出来たものは4、5kgの重量がありますが、これは1.5kg程度で、キャンプなどであちこち持ち歩くものとしては、重宝します。非常時の熱源器具(炭があれば)として、暖房・調理に使える機材かもしれません。
(久しぶりに持ち出したシチリンでイワナを炙る)
久しぶりのシチリン使用で、30~40分かかって炭火起こしから強火の遠火で、イワナを炙りました。
「三枚におろして身を取った後の頭と骨は、焚き火の上にヒモで吊し、遠火でじっくり燻す。そのまま食べても美味しいが、何と言っても骨酒が最高だ。骨酒を楽しむためには、決して塩を振らないこと。加工した竹に、焚き火で燻製にした頭と骨、あるいは焼いたイワナを入れ、熱燗をその上に注ぐ。5分程度おき、イワナのエキスが酒に溶け込み、得も言われぬ妙味となる。お酒好きにはたまらない一品である。家庭では、市販のイワナ骨酒専用の器を使う。なお、骨酒に使うイワナは、2~3回くり返し利用できる。骨酒後、捨てるのはもったいないので、軽く炙って食べるなど、無駄なく利用することを心掛けたい。」
(「天然イワナ料理講座」(あきた森づくり活動サポートセンター総合情報サイト)より)
(シチリンで炙られたイワナ 旨味(脂?)が浮き出します)
「天然イワナ料理講座」では、山中で釣ったばかりの新鮮なイワナの調理法を説明していますが、送って頂いたものでは、同様になりません。Webサイトで見た半乾燥後の利用法(数日乾燥)をすることで、冷凍庫保存も出来るとKは考えたようです。貴重な釣りたて、遠距離先から送りたての利用法を考える事で、素材の素晴らしい価値を損なわず、とことん味わえることの方法を、今回初めて試してみました。
香ばしく炙り上がったイワナの旨味をすべて抽出する、適当な容器が見つかりません。「イワナ料理講座」にあった、骨酒専用の見栄えの良い、機能的なものがあるようですが、素人の使用頻度からは、ちょっと考えさせられます。台所を見渡し、これを見つけて使ってみました。
(適当な器がないので「ごめんなさい!」)
透明な500cc入り縦長徳利型ビンです。広口なので、入れやすいですが、20cm超のイワナには小さく、尻尾が余りました。
極熱の純米醸造極辛酒を注ぐと、淡黄の薄濁酒へと変身しました。「旨味を凝縮した」言葉通りの「イワナの骨酒」が、そこにありました。前回の塩焼き同様、そばとのコラボで、素晴らしい昼の饗宴になりました。余り酒類を嗜(たしな)まないKですが、私の表情を間近に見て、待ちきれずに促して味見をしました。
「こんなにお魚の出汁の効いたお酒は知らないわ! 美味しい!!」
(淡黄濁色して「旨味の凝縮」した「イワナの骨酒」2合)
(川魚の旨味の極致 骨酒とそば昼食の共演)