斜陽
2009-07-05 | 本
いづれ書くと言っていた太宰治『斜陽』の感想をいまごろ。
再読はすぐにしたのですが、
自分の中でどうも消化しきれずに
(本来自殺はしちゃいかんだろうという頭はあるのですが、
それでも直治を肯定しそうで)
うだうだしていたら忘れてしまったという…
ところが ひょんなことから、
小沢一郎(なぜまたw)の好きな言葉
「変わらずに生き延びるためには、変わらねばならない」
(ヴィスコンティの映画『山猫』の言葉だとかそうでないとか云々)
を見かけて、俄かに直治を思い出した。
変わらなかったから自殺するしかなかった。
自活できない直治は貴族のまま亡くなったわけだ。
人道?冗談じゃない。僕は知っているよ。
自分たちの幸福のために、相手を倒す事だ。殺す事だ。
(中略)
とにかくね、生きているのだからね、
インチキをやっているに違いないのさ。
(『斜陽』中の「夕顔日誌」より)
とある。
同感。
生きていくには
悪いことにはもちろんのこと、
善いことの中にもインチキが含まれていると思う。
だったら生きないでおこう、ではない。
生きていくのはそういうことなのだということを前提にして
物事を表面だけ見ずに
どんなふうに成り立っているのか
自分の幸せは何を下敷きにしているのかなど
もう少し深く考えるよう言われている気がした。
ところで主人公のかず子については
いろいろ矛盾があってなかなか興味が湧かず。
ただ、ストーリーとは関係ないところで、
ここに↓感心してしまった。
私は知らなかったのだ。コスチウムは、
空の色との調和を考えなければならぬものだという大事なことを
知らなかったのだ。
(『斜陽』太宰治著 新潮社)
私はいくらかかっても
こんなこと考えつけそうもないなぁって。
再読はすぐにしたのですが、
自分の中でどうも消化しきれずに
(本来自殺はしちゃいかんだろうという頭はあるのですが、
それでも直治を肯定しそうで)
うだうだしていたら忘れてしまったという…
ところが ひょんなことから、
小沢一郎(なぜまたw)の好きな言葉
「変わらずに生き延びるためには、変わらねばならない」
(ヴィスコンティの映画『山猫』の言葉だとかそうでないとか云々)
を見かけて、俄かに直治を思い出した。
変わらなかったから自殺するしかなかった。
自活できない直治は貴族のまま亡くなったわけだ。
人道?冗談じゃない。僕は知っているよ。
自分たちの幸福のために、相手を倒す事だ。殺す事だ。
(中略)
とにかくね、生きているのだからね、
インチキをやっているに違いないのさ。
(『斜陽』中の「夕顔日誌」より)
とある。
同感。
生きていくには
悪いことにはもちろんのこと、
善いことの中にもインチキが含まれていると思う。
だったら生きないでおこう、ではない。
生きていくのはそういうことなのだということを前提にして
物事を表面だけ見ずに
どんなふうに成り立っているのか
自分の幸せは何を下敷きにしているのかなど
もう少し深く考えるよう言われている気がした。
ところで主人公のかず子については
いろいろ矛盾があってなかなか興味が湧かず。
ただ、ストーリーとは関係ないところで、
ここに↓感心してしまった。
私は知らなかったのだ。コスチウムは、
空の色との調和を考えなければならぬものだという大事なことを
知らなかったのだ。
(『斜陽』太宰治著 新潮社)
私はいくらかかっても
こんなこと考えつけそうもないなぁって。