今日は「桃の節句」ですね。
旧暦の3月3日の頃に桃の花が咲くことや、桃は魔除けの効果を持つと信じられていたことに由来すると言われています。
2歳の孫娘の健やかな成長を願いながらふと、この子が成人する20年後の世界のことを考えています。
この一週間という短い期間で世界は一瞬で変わってしまったと感じています。
今まで私が経験したことの無い過酷な戦争という現実に、心が押し潰されそうになります。
平和な日本で日々の生活を維持できている私がこのような事をいうのは偽善かもしれません。
しかし戦争は、日本でも私の両親が幼い頃の80年前に起こっていた現実です。
私には一度もあった事のない一人の伯父がいました。
私が生まれる前に他界しました。
その伯父は祖国や家族を守るため20代で戦死しています。
彼はどんな思いで戦地に赴いたのでしょうか?
何もできない私は、時折鎮魂の思いでウクライナ出身の音楽家ナターシャ・グジーさんが歌う「防人の歌」という楽曲を聴いています。
さだまさしさんの作詞、作曲による反戦歌のカバーです。
映画の主題歌にもなりました。
防人(さきもり)とは古代7世紀頃の日本における3年間の兵役のひとつで、主に九州の辺要の地にあてられた兵士のことを意味するそうです。
家族を残して単身で兵役に当たる兵士の哀しみの歌が万葉集に多数残されています。
さて一切皆苦という言葉があります。
世の中や人生は自分の思い通りにならないものであり、思い通りにコントロールできないことの方が多いという真理を教えている言葉です。
私たちの神経質症状と言われるとらわれや不安の苦しみもまた一切皆苦と言えるでしょう。
しかし森田療法が私たちに光を与えたように、ウクライナの一般市民の方々に連帯と共感という希望の光が注がれることを願います。
2022・3・3 桃の節句に寄せて 一世