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コスモス物語から「村のひかり」

2024年10月25日 | ポエム

汗を拭きながら峠をこえると

秋のひかりを浴びて

稲刈りの終わった村が眼下にひろがる

坂道の周囲には雑草があって

赤蜻蛉の群れが風に流されていた

 

 

 

歩きながら橋を渡ると

澄んだ秋の川がなつかしい

ようやくたどりついた村の入り口には

古くからの銀杏が一本

時の流れに耐えるように

金色の黄葉に包まれていた

 

 

 

 

私は 何を忘れようとしているのか

それは何なのか・・・だが

あざやかに残る出会いの数々を

思い出す時の胸のぬくもりこそが

季節をめぐる新しい旅程ではないか

 

 

 

悲しみを飲みこんで歩きはじめた時

川土手の美しいコスモスのいのちが

孤独な私に小さな勇気を与えてくれた

 

(作者は詩人・各務 章)

 

 

 

 

 

 

今年もコスモスの季節がやってきました

詩画集・コスモス物語の中から

村のひかり」を選んでみました

 

 

 

令和6年10月25日 市内はコスモス畑のスケッチより

 

 

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