~ 恩師の御著書「愚か者の独り言」より ~
講演集 一
「仏壇には感謝の心を供える」
先の続き・・・
近くの人で息子さんが半身不随なのですが、
その大きな邸宅に招かれて座敷に通されますと、
隣の仏間でその家の
おばあちゃんがお祈りをしておられるのですね。
このおばあちゃんは健康だけど足が痛いのです。
「ご先祖様、私は足が痛くて難儀しております。
どうか私の足の痛いのを治して下さいな。
息子はこんな不自由な身体ですのでどうぞ守って下さい。
孫の誰々は何々ですからどうか守って下さい」と言って、
何と一時間も頼んでおられます。
もう八十歳近いおばあちゃんですから、
そんな風に拝んではいけませんよと言ったのですが、
ここのご先祖様はさぞや苦しくて悲しまれることでしょう。
宗教の中には「ご先祖様は子孫のことを思っているのだから、
精一杯無理を言えばいい」と教えているのがあります。
しかしご先祖様に対しては絶対に頼みごとを言ってはいけません。
貧乏でお金が無いから、サラ金で借りたなどと言ってごらんなさい。
親はどうしたらいいかと悲しみます。
姿があればまだ何とかしてやることもできますが、死んでしまったら、
もうどうしてやることもできませんね。
仏様の前でお願いごとをしたら絶対に駄目です。
不孝です。
親不孝であり、先祖不孝です。
~ 感謝・合掌 ~