~ 恩師の御著書「講演集」より ~
講演集 一
「喜捨・奉仕」
これを話すと、私は損をするのですけれど、
皆さんの為ですから損をして言わせてもらいます。
私はこの三十年間、毛布の生産をしていた間、
二十歳代からずっと私よりも恵まれない不幸な方の為に、毎月、
または溜めておいて年に一回、喜捨をさせてもらってきました。
毛布をトラック一杯積んで、施設に配らさせてもらい、
これはずっと続けてきました。
現在も年末の助け合い運動とか、
何かの折には気持ちだけ喜捨させてもらっています。
ただ残念なことに、
こういうことを自分で話しますと自慢たらしく聞こえます。
ただ一つ良い行いをして一人にしゃべっても、帳消しになるのですから、
百人にしゃべったら九十九の赤字です。
こんな大損害ですけど、
皆様の為に天の蔵から放出する気持ちで、そのコツを話しております。
良い行いは常に隠れて積むことです。
表に出したらもう天の蔵には入らないのです。
隠れた徳「陰徳」を積み重ねることですね。その時、
見えない世界の天の蔵には宝物がいっぱい詰まってきます。
そして私達の、その時その時の必要に応じて、
天の蔵からまた出てくるのです。
つまり預金をしているようなものです。そして、
喜捨した何十倍、何百倍のものを自然から報酬として私の所へ
与えてもらいました。
常に人様の為にさせていただくということ、これは実践ですね。
心にほんとうに平和が欲しかったら、心に安らぎが欲しかったら、
勿論、目を閉じて禅定瞑想をして静かな時を持つことも大事ですけれど、
それよりも両目をしっかり開いて、
まず扉を開いて人の為に奉仕しなさい。
人の為につ尽くしなさい。
その時に必ずあなたの心に平和が訪れて来ます。
キリスト教ではこれを隣人愛と言っていますね。
「隣の人々に奉仕をしなさい。
その時あなたの心に平和が訪れて来るでしょう」と、
その通りであって、自分を捨ててはいけないけれど、
人の為に尽くし、自分を生かして下さい。
~ 感謝・合掌 ~