ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

福岡伸一さんのコラムと解説が秀逸

2019-10-11 14:56:39 | 日記
『あたまにつまった石ころが』(キャロル・オーティス・ハースト文 ジェイムズ・スティーブンソン絵 千葉茂樹訳 光村教育図書)という本がある。
 本の題名を読むと、必ず子どもたちが「えぇっ、どういうこと!?」という表情をする。この本の主人公は、石が大好きでポケットの中には、石がいっぱい、頭の中でも常に石のことばかり考えている男の子。彼が、周りに何と言われようとも、純粋に好きを極めて、博物館の鉱物学部長になったという話。

 この話を思い出したのは、10月10日の朝日新聞の朝刊で福岡伸一さんのコラム「福岡伸一の動的平衡」を読んだから。新聞や本で興味をもったことや気づいたことをスラップしたり、絵付きで書き留めたりする「自学ノート」を書いてある少年を追った番組で福岡さんの文が引用されているとか。
 「大切なのは、何かひとつ好きなことがあること、そしてその好きなことがずっと好きであり続けられることの旅程が、驚くほど豊かで、君を一瞬たりともあきさせることがないということ。そして、それは静かに君を励ましつづける。最後の最後まで励ましつづける」<『ルリボシカミキリの青』(福岡伸一 文春文庫)より>
 
 いいのは、このコラムだけではない。紙面の反対側には、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰さん(ノーベル化学賞受賞おめでとうございます)との電話対談がある。すばらしいのは、福岡さんの解説。ノーベル賞を山に例えて話し、わかりやすい。そして、受賞者3人の影に隠れた、グッドイナフさんとの共同研究者の水島公一さんにも光をあてる。
「ノーベル賞受賞者は「先着3位」までですが、100位や1千位に入る大きな山麓があるから高いピークができるのです。科学史の中に様々な人の尽力や貢献が必ずあり、縁の下の力持ちや並走した人たちがいることを忘れないでほしいと思います。」

 福岡伸一さんの本を読みたくなった。
コメント
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