ささやかな幸せ

SUPER EIGHT、本、美術鑑賞、俳句、お茶が好き!
毎日小さな幸せを見つけて暮らしたい。

『緋の河』『夢も見ずに眠った』

2019-10-25 21:31:59 | 
 Mステで関ジャニ∞が新曲「友よ」を披露。力強い歌がいい。亮ちゃん居なくてもいけるということを世間に知らしめたよね。村上くんの歌が、ますます上手くなっている気がする。
 ところで、安くんとWANIMAさんのピアスはお揃い?

『緋の河』 桜木紫乃 新潮社
 男として生まれた。でも、あのおねえさんみたいな、きれいな女の人になりたいな―。蔑みの視線も、親も先生も、誰に何を言われても関係ない。「どうせなるのなら、この世にないものにおなりよ」。その言葉が、生きる糧になった。カルーセル麻紀さんがモデルの物語。
 伝記ではない、小説だと思っても、カルーセル麻紀さんをついつい思い浮かべてしまう。強さも弱さも合わせ持って、必死に生きてきたのが伝わる。何よりも、母と姉のあたたかさがいい。ラストは秀逸。でも、続編がありそう。

『夢も見ずに眠った』 絲山秋子 河出書房新社
 夫の高之を熊谷に残し、札幌へ単身赴任を決めた沙和子。しかし、久々に一緒に過ごそうと落ち合った大津で、再会した夫は鬱の兆候を示していた。高之を心配し治療に専念するよう諭す沙和子だったが、別れて暮らすふたりは次第にすれ違っていき…。ともに歩いた岡山や琵琶湖、お台場や佃島の風景と、かつて高之が訪れた行田や盛岡、遠野の肌合い。そして物語は函館、青梅、横浜、奥出雲へ―土地の「物語」に導かれたふたりの人生を描く 
 まるでそこに旅行に行ったような気持ちになる土地の描写がすごい。カブトガニ博物館や文杭峠(「ジャニ勉」でもやってたし)、江差、福頼棚田に行きたくなる。
 「生きるスピード」の並行して走る京浜東北線と山手線の喩えが印象的だった。「車両が違っても、同じスピードのときは、手に取るように中のことがわかる。けれども、お互いのスピードが違ったら中に乗っている人の様子はかき消えるように見えなくなってしまう。最後の乗換駅で相手の車両に乗り込むことを、しなかったのだ」すれ違いとは、こういうことかもと思わせる。
 また、「沙和子さん、行っておいで」の結婚を就職活動に喩えるのもいい。「昔は紹介だけで内定が出た。履歴書もごく簡単なものでかまわなかった。今はエントリーシートを書くのが大変だ。それに筆記試験も小論文も適性検査も求められる。そうやって見つけた最適解は、本当に最適なのだろうか」なんか、わかるわ~。
 
コメント
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