しばらく忙しくて観られなくて、久々に観たらタイトルが変わってて驚きましたw
清原果耶さん主演の『霊媒探偵/城塚翡翠』が第5話をもって一旦終了し、翌週から『invert/城塚翡翠倒叙集』となって再スタートしたワケです。
「連ドラ史上初となる、タイトルとビジュアルを一新した同一主人公による新ドラマ」なんて謳われてるけど、いやいや、昭和の時代には『宇宙猿人ゴリ』→『スペクトルマン』とか『大激闘/マッドポリス’80』→『特命刑事』みたいに、途中でタイトルが変わることはよくありました。
ただし、それらは視聴率の低迷による「テコ入れ」としてのリニューアル。この『城塚翡翠』シリーズの場合は最初から確信犯でやってますから、それは確かに史上初なのかも知れません。
で、さらに驚いたのは、主人公の性格まで変わってることw テコ入れで多少キャラが修正されることも昔はあったけど、これほどガラリと変わっちゃった例は、たぶん無いでしょう。
なかなか面白い!w 小賢しい仕掛けにはシラケることも多いけど、ここまで思いっ切りやってくれたら楽しめます。
以下、ネタをバラします。
清原果耶さん扮する主人公=城塚翡翠(じょうづか ひすい)が、いくら世間知らずのお嬢様とはいえ、瀬戸康史くんに対してあまりに無防備すぎたりとか、小芝風花さんが翡翠の単なるアシスタント役に収まってるのとか、霊媒探偵を謳いながらちっとも幽霊が活躍しないこと等々、私が何となく疑問に感じてたアレコレにも、全て納得のいく理由……と言うより仕掛けがあった!
城塚翡翠という女、実はインチキ霊媒師で、すべては瀬戸康史くんの悪事を暴くための芝居だった!
ボランティア、というより趣味でやってるのは霊媒師じゃなく探偵であり、小芝風花さん扮する千和崎真(ちわさき まこと)はアシスタントじゃなく対等なパートナーだった!
つまり『霊媒探偵/城塚翡翠』は偽りのタイトルで、5週間もずっと我々視聴者を騙して来たワケです。まさに大どんでん返し!
翡翠は確かにお嬢様だけど、世間知らずな乙女なんかじゃなく、自らの美貌を大いに自覚し、利用して男どもを掌でもてあそぶ、なかなかの性悪女だったワケです。
だからこその清原果耶さんであり、小芝風花さんなのですね。そんなキャラでも魅力的に演じられる稀有な女優たちってことです。
ついでに書けば、鐘場警部(及川光博)の部下にして雨野刑事(田中道子)の先輩である童顔刑事=蝦名(須賀健太)も知らん間にレギュラー入りしてました。(長身でアダルティーな後輩との対比が面白いw)
で、タイトルに「倒叙集」と記されてる通り、新シリーズは毎回犯人役に豪華ゲストを迎え、その犯行を先に見せちゃう倒叙法のミステリー。つまり『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』と同じ方式で行くみたいです。
初回は伊藤淳史くんがコロッと翡翠に騙されちゃった(その気持ちは痛いほど解るw)けど、次回の犯人役は星野真里さん。つまり女性だから色仕掛けは使えないワケで、翡翠がどんな手で悪事を暴くのか楽しみです。
単なる犯人当てゲームより高度なテクニックを要する倒叙ミステリーだけど、前シリーズで我々を見事に騙してくれたスタッフなら、きっと上手くやってくれるでしょう。
いや、それより何より、実は対等な関係だった果耶さん&風花さんの、軽妙な掛け合いが毎回観られるだけで充分、観る価値あり!
願わくばお涙頂戴に走ることなく、人を喰ったような姿勢を最後まで貫いて頂きたい! 日本テレビ系列、毎週日曜夜10時半からの放映です。