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『風の刑事・東京発!』は1995年10月から'96年3月まで、テレビ朝日系列の水曜夜9時枠で全20話が放映された、テレ朝&東映の制作による刑事ドラマ。CS東映チャンネルで再放送が始まりました。
7年続いた『さすらい刑事旅情編』シリーズのメンバーを一新した続編的な内容だけど視聴率は苦戦し、結果的に同じ柴田恭兵主演による『はみだし刑事情熱系』シリーズへの橋渡し役となった、この枠で最後のフィルム作品です。
確かに、鉄道警察隊っていう題材に新鮮さはもう無いし、シリアス一辺倒の人情ドラマじゃ柴田恭兵さんの持ち味も活かされず、コレといった「売り」が見出せない作品ではあります。そもそも前身の『さすらい刑事〜』からして私は面白いと思えなかったし。
だから全然違った路線の『はみだし刑事〜』に切り替えて大成功だったワケだけど、今あらためて観ると芸達者なキャスト陣によるアンサンブルが味わい深く、少なくとも『さすらい刑事〜』よりは(私にとって)見どころがあります。
その見どころの中心となるのは勿論、第1話にて警視庁捜査一課から鉄道警察隊・東京駅分室に転任して来る警部補=風間大輔を演じた、柴田恭兵。
中堅の松本刑事に中野英雄、最若手の沖田刑事に岡本健一、紅一点の藤村刑事に大寶智子。
ベテランの菅原刑事に渡辺哲、若手エリートの三輪刑事に唐木淳、内勤の小田事務官に八木沢れいな。
そして主任の田島警部補に、柄本明。若い!
医務室に常駐する神高医師に、萬田久子。
男ヤモメの大輔と同居する父親=良輔に、西村晃。
母親、あるいは歳の離れた妹と同居する主人公がやけに多い刑事ドラマの中で、父親と二人暮らしっていう設定は新鮮で見どころの1つに成り得たのに、残念ながら西村晃さんが病気により途中降板、2年後に亡くなられちゃいました。合掌。
大輔は最若手の沖田とコンビで動くことが多く、刑事ドラマの若手枠がジャニーズに独占される構図がすでに定着してました。
『あぶない刑事』以来の刑事役となった恭兵さんはイメージ脱却を狙ってか、本作ではアクションもユーモアも抑えて二枚目に徹しておられます。私としては、それが何より物足りなくて残念!
ただし、恭兵さんならではの「熱い」取調べは健在! ナメた態度をとる容疑者は問答無用で半殺し! ……てなことが許されたのも、時代的にこの辺りが最後だったかも知れません。
藤村刑事=大寶智子さんの天真爛漫さと、菅原刑事=渡辺哲さんの朴訥とした味が個人的にツボです。
初回ゲストの1人である中西良太さんは、きっと目標にされてたであろう柴田恭兵さんとガッツリ共演できて、めっちゃ嬉しかったんじゃないでしょうか。
そしてメインゲストは池上季実子さんと……
桂木文さん。初回スペシャルならではの豪華キャスティングで、舞台も東京から軽井沢、そして函館へとリレー。前作でお馴染みだった寝台特急「北斗星」がまたフィーチャーされてます。
ストーリーについては特に語りたい要素が見当たりません。ほんと『さすらい刑事〜』のフォーマットをまんま受け継いだ感じで新味がなく、いくら恭兵さんでも数字を稼ぐのは難しかった事でしょう。
前述のとおり本作がこの放映枠で最後のフィルム作品となり、続く『はぐれ刑事純情派』第9シリーズからVTR撮影にチェンジ。そしてガラッと趣を変えた『はみだし刑事情熱系』が誕生し、その翌年にフジテレビが『踊る大捜査線』を世に放つワケで、この時期はまさに刑事ドラマの過渡期だったと言えましょう。
そんなワケでセクシーショットは初回ゲストの池上季実子さん、桂木文さん、そしてレギュラーの八木沢れいなさんです。
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