ハリソン君の素晴らしいブログZ

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『太陽にほえろ!』#216

2019-06-27 00:00:21 | 刑事ドラマ'70年代





 
☆第216話『テキサスは死なず!』

(1976.9.3.OA/脚本=小川 英&中村勝行/監督=竹林 進)

テキサス刑事(勝野 洋)最後の勇姿です。

今となっては地味な存在と捉えられがちなテキサスだけど、当時の人気は凄まじいもので、本エピソードは『太陽にほえろ!』史上最高視聴率となる42%を記録。歴代で最も世間から注目された殉職編と言えましょう。

それは勿論、先代のマカロニ(萩原健一)そしてジーパン(松田優作)の衝撃的な殉職劇が一大センセーションを巻き起こしたお陰でもあるんだけど、若い男子たちのカリスマだったお二人に対して、勝野洋さんは老若男女、より広い視聴者層から愛された結果の42%だったと思います。

内容はかなりハードで、街に粗悪な密造拳銃が大量に出回り、ガイキチ男が無差別に複数の市民を射殺。その現場に居合わせたテキサスに追われ、犯人はビルに立て籠ります。目の前で市民を殺されたテキサスは逆上し、逮捕を焦るんだけど、駆けつけた山さん(露口 茂)に止められます。

「行けば犯人を射殺する事になる。生かして拳銃の出所を掴まないと、また犠牲者が出るかも知れん」

結果、山さんの説得に応じた犯人から手がかりを得て、藤堂チームは拳銃密造組織の正体に迫って行くんだけど、その取引現場まで辿り着いたテキサスが、再び街に拳銃が出回るのをどうしても見過ごせず、仲間の到着を待たずに独りで飛び出しちゃう。

山さんの教えを守り、10人以上もいる敵を1人も殺さずに、みごと取引を阻止するテキサス。だけど、自身は蜂の巣にされて絶命しちゃいます。

いわゆる「犬死に」だったマカロニ、ジーパンとは対照的に、テキサスの死はすこぶる英雄的で、ちょっと美化され過ぎたきらいはありました。

演出も過剰で正直クサかったんだけど、テキサスというキャラクターと勝野洋という役者さんが、いかにスタッフ&キャストと大衆から愛されてたか、それがそのクサさに表れてるんだろうと思います。

ところが! 当時の『太陽にほえろ!』は本当に凄かった。この翌週に登場する新任刑事に、テキサス=英雄の美しい死に様を、引いては山さんの教え=伝統的な『太陽』イズムを、全面的に否定させちゃうんですよね!

そう、あのクールでキザな一匹狼が、スリーピースに身を包み、いよいよ七曲署にやって来るのでした。
 

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