2015年の冬シーズン、TBS系列の月曜夜8時「月曜ミステリーシアター」枠で全11話が放映された、TBS&東映の制作による刑事ドラマ。
いや、捜査と同等のバランスで主人公の家庭生活もじっくり描いた本作は、刑事ドラマというより「刑事を主人公にしたホームドラマ」の趣で、'70年代末に日本テレビ系列で放映された水谷豊主演の名作『熱中時代 刑事編』のシリアス版とも言えそうです。
吉祥寺警察署の刑事課に勤める敏腕警部補=杉山真太郎(谷原章介)は、愛する妻=香織(酒井美紀)が難病で入院して以来、捜査と子育て(まだ幼い子供が3人!)との両立に四苦八苦する日々。
当然ながら捜査に振り回され、父親としての役目を果たせない真太郎に、子供たち……特に長女の美晴(本田望結)は不満を募らせるばかり。
で、限界を感じた真太郎は事務職への転属を志願するんだけど、その矢先に香織の容態が急変。それを知らせる美晴からの電話にも出られず、犯人追跡中に彼女は帰らぬ人になってしまうのでした。
最愛の妻の死に目に会えず、子供たちとの溝も一層深まり、義母(高橋惠子)からは「香織が死んだのはあなたのせいよ」とまで言われた真太郎は、いよいよ警察を辞める決意を固めるんだけど、刑事課のエースを手離したくない署長(榎木孝明)が許してくれません。
果たして真太郎は望み通りに刑事を辞め、子供たちの信頼を取り戻すことが出来るのか? そんな父親としての葛藤と奮闘を縦軸にしつつ、それでもまだ刑事である以上は全力を尽くす真太郎の、切れ味鋭い捜査が毎回描かれます。
同僚刑事に要潤、片瀬那奈、石黒英雄、事務員に永池南津子、鑑識係に久保田悠来、そして課長に佐野史郎、といったレギュラーキャスト陣が脇を固めてます。
刑事のプライベートは描かない作品が主流になって久しい中、これはかえって新鮮に感じました。『太陽にほえろ!』の山さん(露口茂)や長さん(下川辰平)のエピソードを彷彿させ、懐かしくもあります。
ただ、それが好きかと聞かれると「う~ん、それほどでも」って言わざるを得ません。『熱中時代 刑事編』みたいに笑える家庭生活ならいいけど、これはちょっとシリアス過ぎました。
プライベート描写が重いと捜査シーンも弾まなくなっちゃうし、まして辞めたがってる刑事が鮮やかに事件を解決しても、なんだかスッキリしません。良し悪しは別にして、そして個人的な好みを差し置いても、人気を集めるのはちょっと難しい内容じゃないかと私は感じました。(シリーズ化されてないところを見ると当たってたんでしょう)
谷原章介さんは好きな俳優さんだし、要潤さん、片瀬那奈さん、佐野史郎さんとコメディもこなせる実力派キャストが揃ってるだけに、もうちょっと砕けた内容なら私はハマったかも知れません。
刑事をただの謎解きマシーンにせず、ちゃんと人間として描いてくれた昨今珍しい作品なだけに、惜しい!っていう印象です。
セクシーショットは事務員=澤みどり役の永池南津子さん。後に『CRISIS/公安機動捜査隊特捜班』('17) で小栗旬くんにバーでナンパされる女性を演じる、ファッションモデル出身の女優さんで、実にエッチなおっぱいをされてます。
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