ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『透明なゆりかご』#02~#05

2018-09-03 00:02:47 | TVドラマ全般









 
私にとっての今期ナンバー1連ドラは、どうやらこの作品になりそうです。毎回ガツン!と胸に来るものがあり、自然と涙が出ちゃいます。

生命の誕生と並行して残酷な死も描かれ、それが生命の尊さをより実感させる構図になってて、重いテーマなだけに観るのに気合いが要るんだけど、観れば自分がこの世に存在する奇跡を実感するし、母親に感謝せずにはいられません。(残念ながら出産において父親は何の役にも立ちませんw)

第2話では、生まれつきの持病が妊娠で悪化し、産んだら自分が失明しちゃうかも知れない主婦(平岩 紙)が、それでも産むのか産まないのか、究極の選択を迫られます。

そんな折り、見習い看護師のアオイ(清原果耶)が医院の前に捨てられた生まれたての赤ちゃんを見つけ、面倒を看てる内に母性が目覚めちゃう。

で、その赤ちゃんは女子高生(蒔田彩珠)が親に内緒で産んじゃった子であることが発覚します。

失明を覚悟の上で出産を決意した主婦がいる一方で、産んでおきながら自分で育てる意志が全く無い女子高生もいる。母性って何なのか?

とにかく女子高生が許せなくなったアオイは、彼女の家を目指して自転車を漕ぐんだけど、そのあまりに遠い道のりに愕然とし、そして気づきます。出産したての身であの女子高生は、赤ちゃんを産婦人科に届けるために、この遠い道のりを必死に自転車を漕いでやって来たんだと……

第3話では、些細なミスに対しても異常に激怒する妊婦・さおり(田畑智子)が登場。あまりに厳し過ぎるさおりにアオイは萎縮し、恐れおののくんだけど、彼女の不機嫌さには理由がありました。

さおりの夫は、他の病院で盲腸の手術を受けたんだけど、簡単な手術の筈が麻酔医の些細なミスにより、恐らく二度と意識が戻らない植物人間状態にされてしまったのでした。

なんとか無事に出産を終えたさおりが、何も聞こえないのを承知の上で、赤ちゃんの泣き声を病床の夫に聞かせます。物理的にはあり得ないんだけど、夫の眼からひと筋の涙が溢れるラストシーンに、私は号泣しました。

第4話は更にヘビーでした。何しろ初回からレギュラーで登場し、いつも笑顔でアオイを励ましてくれた癒しの妊婦・真知子(マイコ)が、順調に女の子を出産した直後、容体が急変してあっけなく死んでしまう。診断では予知出来ない、稀にあるケースなんだそうです。

穏やかなピアノの音色で始まったハッピーバースデーの曲が、不意にマイナー調に変わっちゃうBGMの演出がまた見事で、ホラー映画に匹敵する恐ろしさがありました。

その恐怖がトラウマになって看護師が1人辞めちゃったり、出産予定の妊婦たちが相次いでキャンセルするなど医院は存続の危機。

だけど誰よりも悲惨なのは、その日に妻を失うなんて想像すらしてなかった、新婚の夫(葉山奨之)です。絶望し、自殺しようとするんだけど、口うるさい真知子が部屋のあちこちに貼った注意書きのメモと、赤ちゃんの笑顔が彼を救います。

第5話では、9歳の男の子が医院を訪ねて来て、アオイはその子がバツイチの院長・由比(瀬戸康史)の息子だと勘違いするんだけど、実はその子は9年前、14歳の女子中学生・真理(花田優里音)がこの医院で産んだ子供なのでした。

父親になる筈だったチャラ男は姿を消し、当然ながら両親は猛反対したんだけど、真理はどうしても産むと言って聞かなかった。

そこで、これまで真理にベッタリだったお母さん(長野里美)が覚悟を決めるんですよね。真理をあえて突き放し、あくまで自分の責任でその子を産み、育てるように自立を促す。

だけど陰で娘を支える為に無理をして働いたお母さんは、生まれた子が乳離れしない内に病気で亡くなっちゃう。残された真理は、そんなお母さんの覚悟を引き継いで、9歳になるまで立派に子供を育てて来たワケです。

そして現在、真理と子供の元気な姿を見て、前回の妊婦死亡事件で自信を無くしてた由比院長も立ち直るのでした。

粗筋だけじゃ本作の良さを伝えきれないんだけど、我が身を犠牲にして新しい生命を守ろうとする母親たちの姿には「お涙頂戴」的な偽善を一切感じません。なぜなら多分、それは「愛」というよりも人間の、いや生きものの「本能」だから。こればっかりは素直に認めるしかないんですよね。

仕事が忙しくなってドラマ鑑賞に割ける時間が短くなり、どうやら最後まで欠かさず観るのは本作と『dele/ディーリー』『恋のツキ』の3本に絞られそうです。

特に本作は清原果耶さん、『恋のツキ』は徳永えりさんと、いずれも連ドラ初主演の女優さんなのが新鮮で、見飽きた顔ぶれが並ぶ他の連ドラ群とは一線を画してます。これって本当に大事なことだと思います。

セクシー画像は、アオイの母親役・酒井若菜さんです。
 

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6 コメント

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Unknown (ムーミン)
2018-09-07 08:09:39
お久しぶりです。やっとこちらのブログにたどり着きました。ひと安心です。これからも楽しみにしています。「透明なゆりかご」は私も欠かさず見ています。回を追う毎にハードになっていきますが、頑張って視聴しています。マイコさんが亡くなる回も辛かったですが、第7話の虐待も辛かったですね。アオイとお母さんの関係も両方の気持ちが辛いものがありました。救いは清原果やちゃんと酒井若菜ちゃんの足の裏が見れたことです。
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>ムーミンさん (ハリソン君)
2018-09-07 08:11:31
又これからもよろしくお願いします!

虐待の話は重いけど、思い込みの激しいアオイの言動を裏付ける深い話で、普通のドラマなら「おっちょこちょい」で片付けられる性格設定に、ちゃんと理由付けをするのが凄いと思いました。

間違いなく今期ナンバーワンですね。
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Unknown (キアヌ)
2018-09-08 18:37:04
できれば見たくないのですが、ついつい見てしまいます。

イッセー尾形さんの回、号泣でした。
イッセー尾形さん、うますぎてヤバイです。

命って何なんだろうと毎回考えてしまいます。
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>キアヌさん (ハリソン君)
2018-09-08 23:28:26
観るのに気合いが要るドラマですよね。で、毎回必ず泣かされてしまう。

イッセー尾形さん、素晴らしかったですね。奥さん役の女優さんも良かった。キャスティングがしっかりしてます。
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Unknown (キアヌ)
2018-09-09 09:20:22
キャスティング、本当に素晴らしいです!

私は院長の瀬戸さんに救われています。

あんたイケメンの若い院長だからこそ、すこしフィクションといいますかファンタジーがあってそこがなんとか作られた世界の境界線で深く入り込まずにすんでいます。

瀬戸さんの悪口ではなく、瀬戸さんは素晴らしくてお芝居もうまいので、ただのイケメンの下手な芝居の方には無理だと思います。

院長役が渡辺謙さんや役所広司さんだったらリアルすぎて多分見れません(笑)
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>ムーミンさん (ハリソン君)
2018-09-10 00:29:37
なるほど、言われてみればそうかも知れませんね。確かに瀬戸くんの存在でバランスがとれてるような気がします。

それも計算した上でのキャスティングだとすれば、スタッフ恐るべしです。(さすがに視聴率保険としてのイケメン起用かと思いますが)
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