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うっかり初回を見逃したんだけど、もしかすると今期の目玉になるかも知れない作品が深夜枠に登場しました。テレビ朝日系列「金曜ナイトドラマ」の新作です。
もし、自分が何らかの理由で急死を遂げた時、パソコンやスマホに残したデータ、いわゆる「デジタル遺品」を内密に、完全にdele=削除してもらいたい……
そんなニーズに応えるべく「dele.LIFE」という会社を立ち上げた車椅子生活のプログラマー・坂上(山田孝之)と、彼の手足となって動く何でも屋のフリーター・真柴(菅田将暉)が、削除を依頼したワケありの人たちの人生、秘密に図らずも触れることになり、そこに隠された真相を紐解いていくというお話。
探偵物のバリエーションであり、遺留品捜査物のデジタル版とも言えますが、殺人や強盗などの犯罪が絡んで来ないのが新鮮で、そこが本作の肝になってるように思います。
今回観た第2話は、あらかじめデータ削除を契約してた依頼人が病気で急死するんだけど、現場にあったノートに「やっぱり削除しないで」っていう、死の直前に書いたであろう坂上&真柴へのメッセージが残ってて、その理由を二人が探っていくというお話でした。
ネタバレになるので詳細は書きませんが、その消すか消さないかのデータに依頼人の生き方や、友人・家族との関係、すなわち人生そのものが集約されてて、それを紐解くだけで1時間のドラマが成立するんですよね。
私は泣いたし、いい話だけで終わらないラストにも唸ったし、何より犯罪を絡めずにミステリーを成立させた手腕に感服しました。
依頼人だけじゃなく、主人公二人もそれぞれ孤独や虚しさを抱えてる点に共感するし、自分なら何を残して何を削除して欲しいかな?って、考えさせられもします。
調べてみたら、本作の企画には『BORDER』『CRISIS』の金城一紀さんが深く関わってるみたいです。KADOKAWAとメディア・ミックスのプロジェクトを立ち上げた金城さんが、かねてから親交のある小説家・本多孝好さんに話を持ちかけ、本多さんが温めてた小説の構想を2年がかりでドラマ企画に仕上げたんだとか。
脚本は、その本多さんと金城さんに加えて瀧本智行、青島武、渡辺雄介、徳永富彦といった実力派たちが交代で担当するそうで、毎回違ったテイストを味わえるのも見所かと思います。
スポンサーや女性視聴者の顔色に左右されるゴールデンタイムの番組と違って、純粋に面白いものを追究できるのが深夜ドラマの強み。これは期待して良さそうです。
セクシー画像は、坂上の姉にして弁護士の舞に扮する、麻生久美子さん。『時効警察』以来11年ぶりの「金曜ナイトドラマ」登板です。
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