ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

「2020年冬ドラマ」―4

2020-02-01 00:00:36 | TVドラマ全般










 
☆『心の傷を癒すということ』#01~#02(NHK総合・土曜夜9時枠)

阪神・淡路大震災発生時、自ら被災しながらも、他の被災者たちの心のケアに奔走し、日本におけるPTSD研究の先駆者となった精神科医・安克昌さんの実体験を原案とした、NHK土曜ドラマ全4回。

主人公に柄本佑、その妻に尾野真千子、父親に石橋凌、母親にキムラ緑子、親友に濱田岳、恩師に近藤正臣が扮するほか、趙珉和、浅香航大、濱田マリ、平岩紙、谷村美月、紺野まひる、清水くるみ、といった豪華キャスト陣が脇を固めておられます。

物凄くデリケートな問題を扱ってるので敷居の高いドラマになるかと思いきや、第1話は柄本くん&濱田くんによる青春ドラマ、そしてオノマチさんとの出逢いから結婚へと至るラブストーリーが描かれ、すんなりと入って行けました。

これは心理学とか災害とか人種問題とかを小難しく説いたりするドラマじゃなくて、あくまで安先生という1人の在日韓国人二世の生きざまを、必要以上に美化せず淡々と描写する、半ばドキュメンタリーに近いドラマなんですね。

それにしては奥さんとのなれそめがめちゃくちゃロマンチックでしたけどw、どこまでが実話なんでしょうか?

↑ 駅前の名画座で『東京物語』を観た安先生が、近くの席にいた女性から「あのシーンで原節子さんはなんて言ったんですか?」って質問される。ちょうどその時、電車の音でセリフが聴き取れなかったんですね。

で、答えられなかった安先生は、そのセリフを確認するため後日再び『東京物語』を観に行ったら、その女性も同じ回を観に来てた。で、二人して例の場面に注目してたら、日本の鉄道は時間に正確なもんだから全く同じ箇所で電車が通っちゃうw

その場はお互い苦笑して別れたんだけど、また後日、バス停でたまたま彼女を見かけた安先生は、乗らなくてもよかったそのバスに飛び乗って、彼女に声をかけるんです。「あのセリフ、分かりましたよ!」って。

映画好きが一度は夢見るようなシチュエーションです。その映画が『死霊のはらわた』とかじゃなくw、『東京物語』っていうのがまた何とも。

もちろん楽しいことばかりじゃなく、主人公が乗り越えなきゃいけない壁として厳格すぎるお父さんが立ちはだかり、精神科医という職業に対する偏見を思いきり振りかざして来る。メンタルヘルスみたいな呼称が市民権を得たのはごく最近のことで、このお父さんの態度は当時の我々一般ピープルを象徴してるんだろうと思います。

私自身、ちょうど'90年代後半から'00年代前半にかけてセラピストの人と親しくしてたもんで、精神治療に対する世間の風向きが変化していくのを肌で感じてました。そのきっかけの1つを作られたのが安先生ってことですね。

第2話からはいよいよ震災直後の神戸が舞台となり、当然ながら痛々しい場面もたくさん出てくるけど、これ見よがしに泣かせようとするドラマとは全然違うから大丈夫。

ああ、あの時、避難所ではこんなことがあったのか、現場にいた人たちはこんな思いを抱いてたのかって、メディアが外側から見た印象だけで伝える情報とは違う、内側にいた人しか知り得なかった事実を知るいい機会になるし、今後の為にも我々は知っておく必要があるだろうと思います。


☆『エ・キ・ス・ト・ラ!!!』#02(カンテレ・木曜深夜枠)

関西ローカルで放映されてる30分枠の深夜ドラマです。いずれ他の地方局でも順次放映されていくと思うのでご紹介しておきます。

吉村界人くんが主演する『猟奇的な君を宇宙の果てまで追いかける』という変なドラマの制作現場を舞台に、その撮影に参加するエキストラにスポットを当てた作品で、各回のゲストが主役となるオムニバス形式。

間宮祥太朗くんがゲストの初回は見逃したんだけど、私が観た第2話は新婚ホヤホヤの橋本マナミさんがゲストでした。

平凡な主婦なんだけど趣味でエキストラのバイトをしてる橋本さんが、かつて自主映画のスタッフをやった経験から映像撮影のノウハウをよく知ってることを買われて、エキストラたちをまとめるリーダー役を任されます。

で、なんでも一生懸命に取り組む彼女は張り切りすぎて、番組のPR動画を自作して配信したら、それが炎上トラブルを引き起こし、主役の吉村くんが降板するしないの騒ぎにまでなっちゃう。

熱意が裏目に出て落ち込む橋本さんは、責任をとってエキストラを辞めるんだけど、なぜか現場に呼び戻される。聞けば例の動画がとある企業の眼に止まり、主演俳優のCM起用に繋がっちゃったもんで感謝されたから驚いた!

その企業とは、彼女のエキストラ業をバカにしてた筈の夫が勤める会社。そう、妻のピンチを救うために夫が根回ししてくれたのでした。

とまぁ、ちょっと出来すぎた話ではあるんだけど、30分枠で1話完結となるとショートショートみたいなもんですから、少々強引にでも「いい話」にまとめなきゃいけません。細かいツッコミは覚悟の上でしょう。

こういうドラマは筋よりも題材が見所ですから、エキストラというお仕事をどんな人たちがどんな気持ちでやっておられるのか、そこをメインに観ていけば良いのだと思います。

セクシーショットは、撮影現場でエキストラたちと一番コミュニケーションする立場にある、ADの役でレギュラー出演されてる水上京香さんです。


☆『ホームルーム』#01(MBSほか・深夜枠)

こちらも30分枠の連ドラで、現在はMBS(木)、チバテレ(金)、テレビ神奈川(木)、テレ玉(水) の各深夜枠で放映中。「千代」という漫画家さんがウェブコミックサイトで配信されてる連載マンガの映像化です。

『特捜9』の山田裕貴くんが高校のド変態教師に扮して本性を披露されてるということで、たいへん興味深く観させて頂きました。

が、これはちょっと引いちゃいました。女子生徒の着替えを覗いたり下着を盗んだりするド変態なら大いに共感するけど、本作の主人公はそういう変態とはまた違う変態なんですよね。

1人の女子生徒にターゲットを絞り、その子の椅子に接着剤を塗っておいたり等の陰湿なイジメを行い、自分がその窮地を救いに行って(つまり自作自演して)彼女からヒーロー視されるのを悦ぶという屈折ぶり。変態というより完全な精神異常者で、これは笑えません。

原作は怖いもの見たさの若い子らに人気があるみたいだけど、彼らが求めてるものが私にはサッパリ理解できません。主人公のやってる事はただただ卑劣で不快にしか感じないし、だからと言って彼が改心してマトモになってもつまんない。

ターゲットにされた女子生徒が実はドM体質で、エロエロな展開になって行くならまだ見所があるけど、今のテレビ業界で表現できるエロなんてたかが知れてるし、どう転んだところで面白くなるとは思えません。山田裕貴くんはいよいよこれからって時に作品選びを間違えましたね。

ポートレートは変態教師のターゲットにされた女子生徒を演じる、秋田汐梨さん。ほか、山下リオさんが保健教師役で巨乳をアピールされてます。

 
 


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2 コメント

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Unknown (ムーミン)
2020-02-01 22:17:36
秋田汐梨ちゃんの足の裏ですか?うらやましいです。私も舐めて踏まれたいです。
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Unknown (harrison2018)
2020-02-01 23:43:04
そうです。足だけ吹き替えとかでない限り、秋田さんの足の裏です。なかなかツボを突いて来ますよねw
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