☆第7話『落ちこぼれ生徒の灼熱の恋!』
(1979.11.28.OA/脚本=大原豊/監督=土屋統吾郎)
全国の落ちこぼれ高校生を寄せ集めたあさひが丘学園の中でも、さらに落ちこぼれの寄せ集めと云われるラグビー部の内田(小野沢 淳)が、女子テニス部の中じゃ優等生の横田(久我直子)に恋をします。
ある夜、散歩に出かけた内田はジョギング中の横田とたまたま出くわし、一緒に走ったりして良い雰囲気になるんだけど、意気地がないもんだから告白できません。
それでも横田と仲良くなれただけで充分嬉しい内田なんだけど、そんな二人の様子を目撃した生徒から噂が流れ、巡り巡って内田と横田以外の全員が「二人はつき合ってる!」と思い込んじゃう。
特に女子テニス部の仲間たちは、 横田が自分たちに黙って内田とつき合ってることが気に食わず(誤解なんだけど)、横田との関係がギクシャクしちゃうのでした。
二人の噂は職員室にも駆け巡り、竹内教頭(高城淳一)は問題にしようとするんだけど、生徒の自由意志を尊重したい涼子先生(片平なぎさ)がブレーキをかけ、とりあえず静観してやって欲しいと、特にトラブルメーカーのハンソク先生(宮内 淳)には念入りに釘を刺すのでした。
けど、それは言わない方が良かった。何でも反対されるとやりたくなっちゃう幼児思考のハンソクは、横田をつかまえて「内田とはうまくいってるのか?」「もうチョメチョメしたのか?」とノンデリカシーな質問を連発。
そこで初めて内田との仲が噂になってることを知った横田はハイパー激怒! みんなが見てる前で内田の頬をひっぱたき、男が女に言われて最も傷つく台詞を浴びせてしまうのでした。
「誰がアンタなんかと! 冗談じゃないわよ! 誰がアンタなんかと!!」
内田が可哀想すぎて、私は泣いちゃいましたw 男っていうのは、女性に「この人となら有りかも?」って思われてナンボの生きものです。「絶対なし」って言われちゃうことは、存在そのものを否定されたも同然で、これ以上にツラいことはありません。
だからこそ、それが怖いからこそ内田は告白できなかった。いつか、自信が持てるようになるまで胸に秘めておきたかった。なのにまた、あのハンソク野郎がですよ!w(まあ、ハンソクが言わなくても横田の耳には入ったでしょうけど)
あまりのショックで内田は学校に来られなくなり、彼に同情するクラスメイトたちから誹謗中傷を受けて、横田も教室を飛び出しちゃう。
涼子先生の励ましも今回ばかりは逆効果で、テニス部顧問の小寺先生(谷 隼人)もどうすりゃいいのか分からない。
そうして誰もがサジを投げる中、たったひとり動き出したのはやっぱりハンソク野郎でしたw 彼が例によって何の勝算もなく取った行動は、嫌がる内田を無理やり横田に会わせるという、いつも通りの当たって砕けろ戦法。バカじゃないと出来ないことですw
果たして、自分のプライドをズタズタに引き裂いた横田に対して、内田はどうしたか? 何を言ったか?
「許して下さい! キミを苦しめるつもりなんて全然なかったんです! 許して下さいっ!!」
彼の取った行動は、意外にも土下座して謝るという潔いもの。これにはハンソク先生も驚きました。
「やめて、内田くん! 私が悪かったの! 私こそごめんなさい!」
雨降って地固まる? ハンソクのアホな言動により起こったトラブルも、ハンソクのアホな作戦により「結果的に」丸く収まりました。自分がやらかしたことは自分で始末するしか無いんだって、前回のエピソードで言ったことを彼は「結果的に」実践して見せたワケです。
「今回は私の負けです」
さすがの涼子先生も今回だけシャッポを脱ぎました。……けど、ホントにそれで良かったんでしょうか?w まさに「結果オーライ」としか言いようがありません。だいたい、ここまで教師が立ち入るべき問題じゃないですよねw
でも、教訓はありました。そもそも内田がさっさと横田に告白してさえいれば、横田も内田自身もあそこまで傷つかずに済んだんですよね。
私自身、女の子を好きになっても告白できず、ウジウジしてる間に嫌われちゃった(泣)っていう痛い経験が何度かあります。とにかく当たって砕けろよ!って、あの頃の自分に言ってやりたいです。
今回のテーマは、シンプルにそういう事だろうと思います。これを読んで下さってる皆さんに今さらそんな教訓は不要でしょうけど、お子さんやお孫さんに伝えてやって下さいw
セクシーショットは横田千晶役の久我直子さん、当時19歳。前年にタレント&歌手デビューされたばかりで、翌年以降はモデル業に専念されており、女優としての活動はごく短く『あさひが丘の大統領』は唯一のレギュラー出演作。セミヌードのグラビアも1回限りで貴重な代物です。
うーん、主人公のこういう設定があさひが丘が苦手な理由かも・・・
でも、この当時のテレビの雰囲気・匂いを味わいたくてレビューは楽しみにしていますm(__)m
回が進むにつれ、そのあたりは改善されていきますが、ちょっと遅きに失しましたね。
ほんとに寂しい
ご冥福をお祈りいたします