昨夜、仕事から帰宅してテレビを点けたら、たまたまやってたNHKのお笑い番組で、関根勤さんが千葉真一さんのモノマネを披露されてました。
今やすっかりマニアックなネタで「若い連中は解らんやろ!(それでも笑わせる関根さんは凄い!w)」 って、可笑しいやら感心するやらなんだけど、あまりのタイムリーさに驚きもしました。もちろん偶然のタイミングで、同時に追悼のテロップが出てました。
私が訃報を知ったのはその前日の報道番組における速報でした。コロナに感染されたとの事で、あんなズバ抜けて強靭な肉体と精神力を持った人ですら新型ウイルスには勝てないんだと、もっと大々的に報道すべきじゃないかと思いました。私自身もそうだけど、志村けんさんの時に比べて世間の反応が明らかに軽いですよね。もう大して驚きもしなくなっちゃってる。
志村さんとはまた違ったジャンルで一時代を築かれた千葉真一さん。このブログでも『キイハンター』『ザ・ゴリラ7』『燃える捜査網』『ドーベルマン刑事』『ゴルゴ13/九竜の首』『魔界転生』『里見八犬伝』等の出演作をレビューし、その度にアクションスター・千葉真一の圧倒的なる存在感と、怒らせたら本当に(もちろん素手で)瞬殺されそうな本物のカラテ技に魅せられ、今更ながらファンになりました。(カリスマと単なる人気者の違いって、殺気を感じさせるか否かの違いかも?)
しかし報道やバラエティー番組は、そういった功績をなぜもっと称えないのか? まるで代表作みたいに言われてる『キル・ビル』なんか余興のゲスト出演に過ぎないし、真剣佑だか何だかの父親である事なんか全然大した問題じゃない。この国の人達はつくづく、アクション映画やドラマを見下してるんやなあと思わずにいられません。
千葉さんのアクションと唯一無二のキャラクター、その魅力がちゃんと伝わって来たのは、おかしなことに関根さんのモノマネだけでした。心底からのリスペクトと敬愛があればこそでしょう。
『燃える捜査網』は1975年10月から'76年1月まで、NETテレビ(現:テレビ朝日)の金曜夜9時枠で全14話が放映された、NET&東映の制作による刑事ドラマ。JAC(ジャパン・アクションクラブ)の全盛期で、千葉さんが最もご多忙だった頃の作品と思われます。
普段は所轄署の経理部や交通課に勤務する制服警官たちが、重大事件が起こるや休暇を取って集合し「特別秘密捜査班」として秘密裏に捜査するという、なんだか不思議な設定。身分を隠すなら別の職業を装った方が良い気がするんだけどw
そのリーダーが千葉さん扮する根岸署の警務課長=大神史郎。以下、同じ警務課の佐久(谷 隼人)、さらに交通課の白鳥(志穂美悦子)と麻生(佐藤蛾次郎)がメンバーを務め、警察庁とのパイプ役となる日比木警部補(金子信雄)と指令役の高森刑事部長(神山 繁)が彼らをサポート。第9話から捜査課の城刑事(夏八木 勲)もセミレギュラーとして加わります。
志穂美さんはJACが誇る日本唯一のアクション女優として欠かせない存在だし、谷隼人さんは千葉さんと長年『キイハンター』で共演された仲。『ザ・ゴリラ7』でもレギュラーだった夏八木さんは千葉さんのマブダチで、そんな中で異彩を放っておられるのが佐藤蛾次郎さん。この作品に庶民的な雰囲気を取り入れたい千葉さんの意向が感じられます。実際、第5話では「寅さん」繋がりで前田吟さんが蛾次郎さんの親友役でゲスト出演されてます。
第4話『お前はお前、俺は俺』(脚本=永原秀一&峯尾基三/監督=西村 潔)では覚醒剤の製造元を探り出す捜査を巡り、手っ取り早いオトリ作戦をゴリ押しするリーダーの大神(千葉さん)と、堅実な捜査方針を主張する熱血漢の佐久(谷さん)が対立、それぞれが別個に動いて最後には同じターゲットに辿り着き、共に修羅場をくぐって友情を確かめ合うというストーリー。
ワイルドなキャラクターで優男イメージからの脱却に挑む谷さんの熱演と、悪徳刑事(中尾 彬)に騙されて覚醒剤の運び屋をやらされる孤独な女(中島ゆたか)に、そうとは知らず肩入れしちゃう大神=千葉さんの、ちょっとしたロマンス描写が大きな見所になってます。
もちろん、千葉さんと志穂美さんの空手アクションも見所だけど、この『燃える捜査網』は基本的にドラマ重視でアクションは控えめ。千葉さんは空手よりも44マグナムをぶっ放すGUNアクションに力を入れておられ、JACの従来イメージに収まらない新たな魅力をアピールしよう!っていう意気込みが随所から伝わって来ます。
レギュラー陣のみならず、ミステリアスな美女(騙されるより騙す側)の役が多いゲスト=中島ゆたかさんも、今回は裁縫の内職に励む庶民的なキャラで、いつもと違った魅力を披露。かえってその美しさが際立ってます。
そんな中島さんを騙して利用する役の中尾彬さんはまぁ、いつもの彬ですw なんだかんだ言っても色男の役がよくハマる、セクシーな人なんですよね。
圧巻は禁断症状を訴える中島さんから注射器を取り上げ、ヤク抜きするついでに黒幕の正体を聞き出そうとする千葉さんの大熱演。いつも熱演だけど今回は飛びっきりの美女相手で余計に力が入り、往復ビンタを5発もぶちかましてますw 是非とも関根さんに再現して頂きたい!w
もちろんお相手の中島ゆたかさんも大熱演で、ノーメイクに近いお姿が見られるのはかなりレアかも知れません。出てくる人がみんな熱くて味わい深くて、やっぱつくづく昭和ドラマは素晴らしい!
いや、本作が特に熱いのは千葉真一さんのリードがあればこそで、もっともっと日本のドラマや映画でご活躍を拝見したかったです。心よりご冥福をお祈り致します。
いつも 良いね押していただきありがとうございます
関根さんの千葉真一さんのモノマネって
いまYoutubeのTOEIエクストリームチャンネルで期間限定公開中でもあります
直撃 地獄拳がベースなんじゃないかと思います
ご存知かもしれませんが
一応UEL貼っておきます
https://www.youtube.com/c/TOEIXstreamtheater/videos
ただ、我が家はパソコンが無くてネットはいつもスマホでやっており、映画は大きな画面で観たいので、今度DVDを借りようと思ってます。ついでに関根さんのモノマネDVDがあればそれも借りますw
魔界転生の十兵衛の"親父殿"などの、ドスの効いたセリフが耳に残っています。武術目線で見ても、刀の構えや立ち居振る舞いにスキがなく、凄まじい存在感でした。
「戦国自衛隊」での夏八木勲(上杉謙信)とのやり取りも印象深いです。
たとえ亡くなられても作品が残る、作品の中で、作品を愛する人々の中で生き続られる。すごいことだと思います。