私たち世代に新しい形で「冒険活劇」の面白さを教えてくれた『スター・ウォーズ』旧三部作(エピソード4~6)。その前日談を描くことで「なるほど、これがそうなってああなるワケか!」っていうリンクネタの楽しみ方を教えてくれた新三部作(エピソード1~3)。
そして製作権がディズニー社に移り、J.J.エイブラムス監督が創り出したエピソード7『フォースの覚醒』は我々世代にオマージュの楽しさと再会の喜びを存分に味わわせてくれました。
だけどその反面、ハリソン・フォード信者の私に限らず最も多くのファンに愛されたキャラクター=ハン・ソロを殺すことで、半ば強制的に世代交代を印象づけて来たようにも感じました。
そしてライアン・ジョンソン監督の手による前作=エピソード8『最後のジェダイ』はまさに、もうルーカスや20世紀フォックス社の面影を引きずった年寄りファンに用はない、『スター・ウォーズ』は未来ある若い世代にこそ向けた「ディズニー映画」に生まれ変わるんだ!って、まるで離婚届けを突きつけられたような気分になったもんです。
それが誤解だったのか当たってたのか知る由もないけど、同じように感じるファンは多かったようで『最後のジェダイ』は賛否両論、否定派には「もう続きは観ない!」とお冠の方も少なからずおられたようです。
私自身はどうだったかと言えば、「えっ、そうなっちゃうの?」「そっちの方向なの?」っていう戸惑いは確かにありつつ、でもそれはそれで楽しめばいいんじゃない?って、けっこう冷静に受け止めてました。なぜなら、ハン・ソロが死んだ=ハリソン・フォードがもう出演しない『スター・ウォーズ』は、私にとってもはや特別な存在じゃなくなってるから。続きは予告編を観て面白そうなら観るし、逆なら観ない。ただそれだけのこと。
とはいえ、乗り掛かった船でヒロイン=レイ(デイジー・リドリー)の行く末はやっぱり気になるし、スカイウォーカー家にまつわる話はこれで完結するっていうし、ファン心理をよく解ってらっしゃるエイブラムス監督が現場復帰されてるし、撮影前に亡くなられたキャリー・フィッシャー=レイア将軍の登場シーンがどう処理されたかも気になるし、前作にやや失笑されてたgonbeさんも今回は満足されたみたいだしで、やっぱり劇場へ駆けつけずにはいられませんでした。
結果は、私も大満足でした。「それじゃない」感ばかりが眼についた前作と違って「そうそう、これが観たかったんだよ!」って場面を次々提供してくれるエイブラムス監督は、やっぱりよく「分かってる人」でした。
それをあざとく感じる人もいるだろうし、同じことの繰り返しに文句を言う人もいるだろうけど、それもこれもひっくるめて『スター・ウォーズ』なんですよね。さんざん文句言いながら結局あんたも観てるやんっていうw 作品鑑賞でもアトラクションでもなく、これはお祭りなんです。
ワクワクした場面が沢山あったし、いまいち響かなかった場面も色々とあるけど、私が今回『スター・ウォーズ』を観て初めて泣いた!っていう事実だけは特記しておかねばなりません。
ホロッとなったシーンは沢山あるんだけど、号泣に近い勢いで泣かされた場面は2つ。
1つは、ヒロインのごく個人的な心の旅に決着がつくラストシーン。エピソード1~6も「銀河系を股にかけた壮大な親子喧嘩」なんて言って揶揄されたけど、あれはたぶん結果的にそうなっただけ。対して今回の三部作は、最後にあの台詞をレイに言わせるため周到に計算しながら創った筈で、結局は個人のアイデンティティを描く映画だからこそ『スター・ウォーズ』は愛されたんだってことを、やっぱりエイブラムス監督はよく分かってらっしゃるんでしょう。
そして、もう1つの号泣シーン。これはもう、完全に不意を突かれたがゆえの涙腺決壊でした。まさか今回、こんなサプライズが用意されてたとは!
クライマックス直前、カイロ・レン(アダム・ドライバー)がようやく迷いを吹っ切る場面で、なんと、まさかの……! 言いたい。カイロ・レンあるある言いたい。けど、これだけは絶対に言えません。もし私が読者なら、絶対バラして欲しくない最高のサプライズだから。
一足先に観てレビューを書かれたgonbeさんも、私に早くこれを教えたくてしょうがなかったのでは?w バラさずにいて下さったことを心より感謝いたしますm(__)m
常連の読者さんなら、もう薄々察しがついておられるかも知れません。ていうか、今回の記事を隅々まで見ればモロに答えが書いてありますw
そんなワケで、私は大いに楽しみました。前作でガッカリされた方にも、気を取り直してグランドフィナーレを見届けられることをオススメします。
ジェダイがあまりに超人化しちゃったことや、未消化のまま終わった謎が色々あるのが不満と言えば不満だけど、前述のとおり根本はごく個人的な自分探しのストーリーですから、その他の要素は議論のネタ(創り手もそれを狙ってる)として楽しめば良いのだと思います。
スカイウォーカー物語の完結と共に、ジョン・ウィリアムズ御大も『スター・ウォーズ』音楽を卒業されるんだとか。今でも第一線でやられてること自体が奇跡ですよね。
そう言えば今回の『スカイウォーカーの夜明け』は途中、まるで『インディアナ・ジョーンズ』シリーズを観てる気分になる場面が多々あるんだけど、それもウィリアムズさんの音楽あればこそですよね。御大、本当にお疲れ様でした! でも『インディ5』が本当にあるなら是非、よろしくお願い致しますm(__)m
2020年1月現在、公開中です。
ハリソン君、きっと観に行くだろうなと思ってましたので。私だって息を呑んで固まってしまったんですから、ハリソン君はさぞかし・・と推察いたします。いいシーンでしたね。
昨日、『エピソード1/ファントムメナス』を見ました。やっぱり時系列順に見ようと決めまして。『スカイウォーカーの夜明け』のBDが出る頃に合わせて第8作『最後のジェダイ』までをゆっくり見ていこうと思っています。何じゃかんじゃ言っても、『スターウォーズ』は面白いです。
『ファントムメナス』には「黒澤明監督の影響かオマージュだろうなあ」と思わせるところがたくさんあります。ルーカス氏の黒澤明監督に対する思いが伝わってくるような作品ですね。
私も当時は首をひねった観客の一人なのですが、今あらためて観るとそのフェチシズムに惹かれて評価はまったく変わるかも知れません。私もあらためて全作じっくり観直したくなって来ました。
小生も多分同じ所で涙腺崩壊したと思う
またスタッフロールにもクレジットされてないのは何故❓と思っても誰とも語り合えない(少しでも言うたらネタバレやし)
大変良い締めくくりやったねぇ^ ^
「銀河系を股にかけた壮大な親子喧嘩」と指摘されると、スターウォーズの関係性は極めて狭い世界に収束している気にさせられました。
それにしても、42年間は長過ぎました。