☆第35話『タックルがハンソクに恋してる?!』(1980.9.3.OA/脚本=大原豊/監督=馬越彦弥)
「タックル」こと涼子先生(片平なぎさ)が、新婚ホヤホヤの姉夫婦=しのぶ先生(金沢 碧)&小寺先生(谷 隼人)のアツアツぶりにアテられ、その上しつこく結婚を勧められて、今いちばん身近にいるハンソク先生(宮内 淳)をふと、異性として意識するようになります。
雨の夜、たまたまハンソクと帰り道が一緒になり、自分のブラウスがびしょ濡れでブラジャー透け透けになってることに気づいた涼子は、一人で真っ赤になって「やだ、私ったら」とか言いながら走り去っちゃう。
その様子を女子テニス部の長尾(藤谷美和子)たちに目撃され、2人の仲が怪しい!と誤解されて噂になった事から、今回の騒動がスタートしますw
まず動き出したのが小寺先生で、涼子の姉である妻=しのぶ先生を喜ばせたい一心から、涼子との結婚を考えてみてはどうかとハンソクに持ち掛けます。
結婚など考えたことも無かったハンソクは戸惑うんだけど、小寺先生から「涼子ちゃんはその気になってる」と言われると、まあ満更でもない。
ところが、そのやり取りを地獄耳の小関先生(樹木希林)に聞かれちゃったもんだから話がこじれて来ます。「2人の結婚話が進んでる」と拡大解釈した小関先生が噂をばら蒔き、今度はおっちょこちょいの太田先生(由利 徹)が「仲人なら私が引き受けますよ」と、噂をまるで知らなかった涼子に進言しちゃうのでした。
「冗談じゃありません! いったい誰がそんなデタラメを!?」
涼子がカンカンになって、誰よりも慌てたのが小寺先生。しのぶを怒らせてまた離婚危機に発展しちゃうと困るもんで、愛の言葉を綴った手紙をハンソクに持たせて「黙ってこれを涼子ちゃんに渡して下さい!」と、泣きながら土下座するのでしたw
何がなんだか分からないまま、ハンソクはその手紙を涼子に渡すんだけど、読んだ彼女は再びハイパー激怒。あまりにオタオタしてた小寺先生は、手紙の最後に自分の名前をサインしちゃってたのでしたw
それを読んで爆笑するハンソクに、涼子はありったけの罵詈雑言を浴びせます。
「先生はいったい何を考えて生活してらっしゃるんですか! もう、あなたはフザケてばっかり……何もかも! だいたいあなたが存在してること自体がフザケてるんですよ!」
「そんな……」
「私、保障してもいいわよ」
「なにを?」
「あなたのところへお嫁に行きたいなんていう女の人がいたら私、死んでもいいわ」
「…………」
「いる筈ないわ! 絶対いないわ!!」
満更でもないと思ってた女性からそこまで言われ、さすがのハンソク先生も凹みます。
その様子を見てた水野(井上純一)や長尾は「先生、ひどいじゃないか!」「そうよ、ああまで言うことないと思う!」と、涼子に抗議します。
そして姉のしのぶ先生から、ハンソクはフザケて手紙を渡したんじゃなく、ただ小寺先生に泣きつかれて人助けの為にやっただけっていう真相を聞かされて、涼子も反省します。
「ごめんなさい。私、なにも知らなくて……許して下さいね」
二人きりの海岸で、涼子はハンソクに謝るのですが……
「やだね。そんなことぐらいで許せることじゃないよ」
「それじゃ、どうしたら許してもらえるんですか?」
「どうしたらって……オレは男として決定的に傷ついたんだよ。致命的なんだよ」
「だから言って下さい、どうしたらいいのか。どうしたら許してくれますか? 何でもしますから」
「……キスしてくれたら、許すよ」
「えっ……」
「いや、厭ならいいんだよ? オレはキミのこと一生許さないだけなんだから」
「……ホントにそれで許してもらえるんですか?」
「うん」
「…………」
「…………」
「……いいわ」
「ほんと!?」
「その代わり、眼を閉じてて」
「ホントにいいんですか?」
「どうぞ」
涼子が眼を閉じ、ハンソクも眼を閉じ、二人の顔が近づいていきます。果たして、ハンソクとタックルは本当に結ばれてしまうのか!?
私の記憶する限りだと、日テレ青春ドラマで主人公とヒロインが結ばれた例は無いと思います。
もちろん涼子も、簡単にキスを許したりしません。唇が触れる直前に彼女が手を差し入れ、ハンソクは手の甲にキスしただけなのに「やった! やったぞ!」と無邪気に喜びます。
ただし、それは涼子とキス出来たことの喜びじゃないようで……
「ずるい!」
「インチキだ!」
物陰からゾロゾロ出て来て抗議する水野や長尾たちに、ハンソクはドヤ顔で言いました。
「見たかお前ら! 約束どおりオレに一杯ずつラーメン奢るんだぞ!」
「なんですって!? あなた、またそんなフザケたことを!」
再びハイパー激怒した涼子に追われて、いつものように砂浜を青春走りする、いつまで経っても童貞っぽいハンソク先生なのでした。(終劇)
今回もまた、果てしなく他愛ないストーリーだけどw、私は大好きです。ずっと前にレビューした『マジンガーZ』#52もそうだったけど、本当はお互い好きなのに喧嘩ばかりしてる主人公とヒロインが、ふと異性を意識しちゃう、けどやっぱり簡単には結ばれないみたいな話に、なぜか子供の頃から興奮するんですよねw
いや、子供の頃に『マジンガーZ』#52における兜甲児&弓さやかのキスシーン(シルエットだけど)を観て興奮したのが、いまだに性癖として残ってるのかも知れません。ハンソク&タックルの関係も『マジンガーZ』のカップルによく似てますから。
それはともかく、番組が後半になるにつれ生徒中心の内容になり、特に出番が減ってた涼子先生にとって久々の活躍回なんだけど、実は次回が最終話。だからこその内容なんだろうけど、こういう話を私はもっと観たかったですね。
やっぱり『あさひが丘の大統領』は面白い。終わっちゃうのが寂しいです。
ちなみに前回のラスト、つまりこのエピソードの予告編では、ハンソク&タックルがちゃんとキスしてます。ミスリードの話題作りとはいえ、予告編でしか観られないキスシーンってのも凄いですよねw
でも放送ではなかったですよね。
この当時、宮内さんのファンの方はショックだったんでしょうかね。
私子供だったから、予告編にこんなシーンがあった事も覚えていないです。
もうすぐこの番組が終わっちゃう…という事だけが悲しくて寂しくて…
でも当時はこれからもまだまだ俳優としての宮内さんは続いていくと信じていましたから、またすぐに違う宮内さんに会えると楽しみにしている時でもあったんですよね。
この頃のハンソク先生も大好きでした。
そう言えば、まだ宮内さんがボンだった時に出演された映画『悪魔が来りて笛を吹く』ではキスシーンどころか、もっと濃厚なラブシーンがありましたよね。あのときファンの反応はどうだったんでしょう?
宮内さんが連続殺人犯!っていう展開の方がもっと衝撃的で、ラブシーンどころじゃなかったかも知れませんね。
学生寮暮らしでお風呂が共同で管理人の指示に従わなくてはならなかったので(笑)
自分は当時19歳の短大生で宮内さんのファンでしたが、ラブシーン等はあまり気にしていなくて、宮内さんもアラサーでしたから彼女が居てもおかしくないと思ってましたし、たとえ彼女がいてもファンであることには変わりはないわけです。(学友の中では社会人と交際してた子もいたのでそこは理解があります)
役者ですからラブシーンも仕事のうちだと割り切ってました。
自分は相手を尊重することをモットーとしてますから。(ちなみに経済的事情で映画は見てません)
でもドラマの性質上、涼子先生とは何もない気がしました。でも番組が終わってしまって宮内さんに会えなくなると思うとつらかった記憶があります。
あやさんは学生寮におられたなら、同じ寮にいる人たちと一緒に『あさひが丘~』を観たりされてたんでしょうか? 周りの人たちはどんな感想を持たれてたのか、興味深いです。
正規の学生寮に住む友人は皆でテレビを見て番組の終了を悲しんだといってました。
番組終了に納得がいかないという意見が多数でしたね。
片平なぎささんは自分と年が近くて、某オーディション番組からよく知ってて、宮内さんと共演しても嫉妬する人はいませんでした。当時片平さんも20歳そこそこで、宮内さんはアラサーなのでこの二人の年齢差に無理があったからかもしれません。
自分の周囲は割と大人の対応ができる人が多かったので冷静でしたね。
小学生時代からの親友が別の地方にいたけど、彼もボンボン刑事のファンだったのに『あさひが丘~』はあまり観てなくて、もちろん当時はネットも無いですから自分以外の人が『あさひが丘~』をどう感じてるのか知るすべがありませんでした。
あやさんや、当時のお仲間の皆さんは大いに楽しまれてたみたいで、何十年も経ってようやく安心しましたw ありがとうございます!
言われてみれば、片平さんは生徒役の人らと大して年齢が違わないのに、立派に先生役をこなされてましたよね。宮内さんとの年齢差もあまり感じさせず、さすがは後のサスペンスの女王です。
数年前の週刊誌に片平さんが対談の中で昔のことを振り返り、事務所の中で自分だけ暗い歌を歌わせられて不満で何度も泣いて社長に懇願したことや、その後路線変更で「あさひが丘の大統領」を皮切りに本格的に役者への道を…と語ってましたね。
プレッシャー半端なかったと思いますが立派だと思いました。