さて、もしかしたら日本警察の制式拳銃になってたかも知れない、リバティチーフのモデルガン発売にちなんで、我が家にある警察拳銃系のトイガンコレクションをご紹介させて頂きます。
一口に警察拳銃と言っても様々あって、ニューナンブM60が制式モデルになる前は、コルトとS&W (スミス&ウェッソン) が競作したリボルバーM1917や45オート等、軍用のでっかいピストルをぶら下げたお巡りさんも沢山おられたようです。
が、ここではスナブノーズ(銃身の短いリボルバー)を中心にしたあくまで護身用のピストル、携帯性に優れたピストルを警察拳銃と定義づけます。
まずは前回もチラッと登場した、オールドタイプのCOLTディテクティブスペシャル。’60〜’70年代のアメリカ映画で頻繁に登場してた非常にポピュラーな護身用リボルバーで、ニューナンブ登場前はチーフスペシャルと共に輸入され、警察拳銃にも使われてたそうです。
上の画像はタナカ・ワークス社が最初にリリースしたエアーソフトガンのディテクティブ、そしてそれをベースに製作されたモデルガンのヘビーウェイト・バージョンが、これ。
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スナブノーズ(獅子の鼻)っていう呼称がこれほど似合うリボルバーは無く(もしかしてコレが語源?)、私もメチャクチャ好きな銃なので、最初のエアガンとABS製モデルガンは発売と同時に即購入しました。が……!
ディテクティブスペシャルって、同じコルト社の人気モデル=パイソン357マグナムと内部メカの構造がよく似てるんですよね。それはすなわち、すこぶる故障しやすいことを意味するワケです。
最初に買ったエアガンはシリンダーの固定が緩くはなったものの、奇跡的に今でも動くんだけどw、次に買ったABSモデルガンは3日程であえなくハンマーが動かなくなりましたw ほんとパイソンとそっくり同じ症状。ラッチ・ピンって部品を抜いてやると一応動くようになるのも全く同じです。
やっぱりディテクティブも故障して当たり前と思わなきゃいけないようで、だから後にヘビーウェイト版のモデルガンが出た時は「もういいか」って、私はいったんスルーしてました。
ところがどっこい! ある日、ネットオークションを眺めてたら「故障しないディテクティブのモデルガン」が出品されてるじゃありませんか!
パイソンやディテクティブのトイガンが故障しやすいのは、要するに内部パーツにかかる負荷が他の機種よりも強くて、何度も動かすと折れたり変形したりしちゃうから。実銃のパーツは頑丈なスチール製だから簡単には折れないけど、トイガンのパーツは脆弱な亜鉛合金だから負荷に耐えられない。
だったら、そのパーツだけスチールで造っちゃえばいいじゃん!って話だけど、ふつう一般のユーザーはそんな設備も技術も持ち合わせてない。
ところが! 普通じゃない一般人(?)も世の中にはいるワケです。その出品者さんがハンドメイドでこしらえたスチール製パーツのお陰で、私のディテクティブは壊れない!……今のところはw
もちろん、値は張りました。木製グリップ付きで、ちょうど定価の倍ぐらいしたと思います。けど、それだけの価値あり! 特に大切にしてるモデルガンの1つです。
↑これは15年ぐらい前にホビーフィックス社が限定生産した、金属製モデルガンのディテクティブスペシャル。これも買って1週間ほどでハンマーが動かなくなりましたw
故障して当たり前、しなかったら奇跡っていう商品を大枚はたいて買うモデルガンコレクターって、やっぱマトモじゃないですねw いつか、ちょっとやそっとじゃ壊れないディテクティブのトイガンが、普通に売られる日が来るんでしょうか?
↑タナカ製のS&W M36 チーフスペシャルのヘビーウェイト・モデルガン。つや消し塗装の表面仕上げが唯一残念だけど、それ以外は非の打ち所がないパーフェクトな製品。さすがはタナカ・クオリティー!
これが出る前はコクサイ製のチーフが文句なしの決定版だったけど、それを軽く凌駕しちゃいました。とにかく手にして動かしてみれば判ります。トイガンもここまで進歩したのか!って感動させられます。もちろんS&Wメカだからディテクティブみたいにすぐ壊れません。
もし仮に本物のピストルを自分が持つことになったら、私は迷わずチーフを選びそうです。ホントはディテクティブの方が味わい深くて好きなんだけど、やっぱ故障するのが怖いw 同じ亜鉛合金のパーツで出来てても、チーフのモデルガンが壊れたことは皆無ですからね。
↑タナカ製が出る前はこれが決定版だった、コクサイ製のチーフスペシャル2種。上がABSのシルバーモデル(グリップはパックマイヤー製のラバー)、下が金属モデル(グリップはアルタモントの木製)です。
↑コクサイのABS製チーフ、ノーマルブラックの3インチモデル。
2インチのチーフは日本の刑事ドラマでも頻繁に使われたけど、3インチはほとんど見かけませんでした。命中精度も操作性も2インチより優れてる筈なのに、ドラマで使うにはルックスが(コンパクトでもなければゴツくもなく)中途半端だったのかも知れません。
↑コクサイのスーパーリアル・ヘビーウェイト版のチーフです。前出の3挺は旧式の短いカートリッジしか入らないけど、こちらは「ニューコンセプト・モデルガン」のシリーズでリアルサイズの38スペシャル弾(もちろんダミー)が入ります。
表面仕上げの質感はこれがダントツ一番で、ほんとタナカ製さえ無ければ文句なしの決定版。
やっぱりチーフスペシャルはカッコいいです。携帯性も操作性も明らかにディテクティブより上で、日本の警察拳銃がこれを手本としたのも実に頷けます。というワケで、次回はニューナンブです!
チーフは女性的、ディティクティブは男性的なデザインに感じます。
タナカのガスを持っていましたが、パイソンとメカが同じとは知りませんでした。てっきりローマンと同じだと思っていました。
チーフはコクサイの金属モデルとガスを持っていました。2インチだとグルーピングが悪くエジェクターロッドが短くなるので、バランス的には3インチが良いと読んだ覚えがあります。
(6連発のFBIスペシャル(俗称?)は3インチだった気がします)
戦後すぐは米軍払い下げのハーフムーンクリップ式のドでかい軍用リボルバーや、ガバが使われていたそうです。銭形警部がガバを使っているのはその名残でしょうか。
亀有両さんの拳銃はニューナンブではなくS&Wだった気がします。
内部パーツくらい鍛造で作って欲しいと、以前から思っていました。シリンダーを回すハンドなど欠けてしまうのは、鋳造だからでしょう。
模造刀は鋳造でなければイカンのですが、鍛造で作るとマズい規制があるのかもしれません。
真鍮で作るとその規制がないみたいです。精巧に出来た真鍮製のガバを友達に見せてもらったことがあります。
トイガンの内部パーツは、丈夫な素材で造りたいのはヤマヤマなんだろうけど、やっぱり規制があるんでしょうね。リアルに造る技術がいくら向上しても、その壁だけは越えられない。ユーザー側もそれが解ってるから文句を言わない。物騒なオモチャなのに紳士な世界ですよねw
マトモに動かない、すぐに壊れるモノを撃って、いや売ってて殆ど問題にならないイイ時代でしたね!
今回の記事を書くにあたって色々よく見直したら、ホビーフィックスの金属ディテクティブには修理の無料券が2枚付いてたのに、1枚も使わずじまい。モデルガンマニアには細かいことに気がつかない、あるいは面倒臭くてすぐ諦めちゃう傾向もあるのかも知れませんw
HFやタナカに腹が立つのは、80年代にコクサイがパイソンをリニューアルして、同じ失敗の前例があるのに同じ轍を踏んでいることですね
パイソンは発売当初、コクサイ目黒のおばちゃんが
実物のパーツがスカッと入りますよ
とPRしてました。
コクサイのNEWパイソンは実銃のパーツがそのまま使えたと!? だけど実銃のパーツを一体どうやって手に入れれぱ!?w まあ、それだけリアルに出来てるんだとおばさんは言いたかったんでしょうね。でも、いくらリアルでもすぐ壊れたんじゃ意味が無い!