今、時間だけは余ってるもんで、映画もちょこちょこ(レンタルDVDやCATVで)観てます。
基本的にハリウッドのアクション映画が一番好きなのは相変わらずで、シネコンがもっと近くにあれば確実に劇場で鑑賞したであろう近作から順番に観てます。
が、どれも良く出来てて面白いんだけど、だからこそ、あんまりレビューを書こうって気になれない。不特定多数の観客が楽しめるようにちゃんと創られてるから、私から口添えしたいことが何も浮かばない。みんなが「面白い」って言ってる作品をここで「面白い」って復唱しても仕方ないですから。
『トップガン/マーヴェリック』がその代表格。これは劇場で観たらもっと面白いだろうなあっていう、当たり前の感想しか浮かばない。
実は1作目も最近レンタルDVDで初めて観たもんで、約35年ぶりの再会!っていう感慨もなく、ホント良く出来てるよなあっていう感想しかありません。
『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム』も、観た人が言うことはみな同じでしょう。歴代3シリーズのピーター・パーカーとヴィランたちが勢揃いしちゃうという、マルチバースって設定の面白さと便利さ。
結果、とんでもない豪華キャスティングになっちゃうのをホントに実現させちゃうディズニーって会社の凄さですよね。
日本でこういうのをやるとすれば(みんなご存命だと仮定して)映画とテレビ全ての金田一耕助が大集合!とか、大河ドラマ歴代の織田信長が勢揃い!みたいな……ってのも皆が言ってそう。
『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』もまさに同じ! 旧三部作と新三部作の主役たちが一堂に介する楽しさと懐かしさ。やってること(恐竜から逃げ回る)は毎回同じだから、そこしか取り上げようがない。
もちろん最初の『ジュラシック・パーク』から全部劇場で観てきた私は存分に楽しめました。けど、完結編だけ自宅鑑賞になっちゃったのはちと残念。『インディアナ・ジョーンズ5』は何があっても劇場に行きますから、思い入れがそれ程じゃ無かったワケですね。
『バッドマン/史上最低のスーパーヒーロー』はフランスのコメディー映画だけど、ネタは『バットマン』『アベンジャーズ』などアメコミ映画のパロディー。
普通の人がスーパーヒーローに「なりすます」パターンの話だけど、主人公が売れない俳優で、やっと掴んだヒーロー映画の撮影中に交通事故を起こし、コスチュームを着たまま記憶を無くしちゃう。
つまり、主人公が勝手に自分がスーパーヒーローだと思い込み、なんの超能力も無いのに凶悪マフィアに戦いを挑んじゃうw
周りの人々が勘違いして主人公をスーパーヒーローと思い込むパターンが多い中、当の本人が勘違いしちゃってる点が新しいし、小さな子供にもいっさい容赦しないブラックユーモアもアメリカや日本とはひと味違う。下ネタも満載でめっちゃ笑えますw
『ピクシー/復讐の女神』はイギリス映画で、母親を死に追いやった男どもにオリヴィア・クック扮する娘が復讐していくストーリーだけど、アクション映画じゃなくてこれもブラック・コメディー。
ヒロインも含め悪党しか出て来ないから感情移入しづらいけど、展開が全然読めない点でハリウッドの王道大作より面白いんですよね。(それにしても『復讐の女神』って邦題の外国映画がなんと多いことか!)
で、それと似た路線のブラックユーモアと、しっかりアクションも魅せてくれた『ブレット・トレイン』が、今回のラインナップの中で私は一番楽しめました。
『アトミック・ブロンド』『デッドプール2』のデビッド・リーチ監督による2022年公開のアメリカ映画で、主演はブラッド・ピット。
伊坂幸太郎氏の小説『マリアビートル』をハリウッド映画化した作品だから、舞台も我らがジャパン。決してリアルな日本じゃないけど、ストーリー自体がぶっ飛んでますから気になりません。
ブラピ扮する小悪党が、東京から京都に向かう新幹線の車内で、指定されたブリーフケースを盗むだけの簡単なミッションを引き受けるんだけど、そのケースを狙う殺し屋たちが次々と現れて……
襲ってくる殺し屋たちにもそれぞれ背景があり、それを面白おかしく見せる序盤で人がポンポン死んでっちゃうから、これも最初は感情移入しづいんだけど、我慢して観ていくと知らず知らず彼らを憎めなくなって来る。
ブラピ扮する小悪党がホントに小物でw、だけどすこぶるチャーミングで、ただ悪運だけで生き延びてく様が妙に可愛くて笑えちゃう。
バイオレンス度はかつてブラピがプロデュースした『キック・アス』と同じくらい。そう言えばキック・アス役のアーロン・テイラー=ジョンソンも殺し屋の1人として登場します。
あと、日本人スターのこの人も!
真田広之さんって、もっともっと動ける筈なのに、ハリウッド映画じゃいつも半分も実力を発揮させてもらえてない印象。どうやら実際に「もっと動きを抑えてくれ」って指示されてるみたいです。
ほか『スーサイド・スクワッド』の福原かれん、『デッド・プール2』のザジー・ビーツ、『CSI:科学捜査班』のジョーイ・キング、そして『オーシャンズ8』のサンドラ・ブロックがブラピの雇い主として登場します。
アクション映画はあくまでアトラクション、と割り切って観れば、豪華キャストにド迫力アクション、摩訶不思議なクールジャパン描写、そして先が読めない展開とブラックユーモアが存分に楽しめます。王道ファミリー路線がつまんなく感じてる方にオススメです。
セクシーショットは女子高生の殺し屋「プリンス」に扮したジョーイ・キングちゃん。ボインぼよよんです!
大阪や三重でもまだ上映されてると思いますが、「RRR」というハリウッド大作だって目じゃないパワーのインド映画が現在公開中です。
これは主人公が耐えて耐えて耐えぬいて、クライマックスで外道共を殺して殺して殺しまくるというアクション・ドラマです。
とにかく、この映画は頭からつま先までギッシリ見せ場が詰まっていて、ときに心が震えるような気持ちも味わえました。CGも使われてはいますが役者さんもかなり体を張っていて、例えば四分間のダンスシーンの撮影だけで二十日もかけたそうです。
ハリソンさんはかつて「ムトゥ」を鑑賞されたことがあるそうですが、あれからの二十五年でインド映画がどう進化したのか確かめるのも一興かもしれません。少なくとも“わざわざ映画館で見て時間を無駄にした!”となることはまずないと思います。
気が向かれましたら、是非ご覧下さい。
特急列車という密室空間が舞台な点から見ても、伊坂幸太郎さんは『ダイ・ハード』を意識されてたのかも知れませんね。主人公がほんとにチャーミングなキャラで。
真田広之さんは渋みを増して、作品を引き締めてましたよね。贔屓目を抜きにしても不可欠な存在だったと思います。
私はレモンとミカンの黒人・白人コンビがお気に入りです。黒人の殺し屋の人生哲学がきかんしゃトーマスというのも笑えました。
世界一運の悪い殺し屋レディバグ(ブラッド・ピット)の、何で俺がこんな目に〜という感じが、ジョン・マクレーン刑事を連想しておもしろかったです。
真田さんの日本刀アクションはかっこよかったです!
杏子