湊莉久 主演、城定秀夫 監督、2016年製作のVシネマだけど、劇場公開されても遜色ない、ちゃんとしたエロ映画で面白かったです。
平凡な女子大生=美雪(湊 莉久)が町で見かけたバイト募集の貼り紙をきっかけに、引きこもりの浪人生=清彦の家庭教師を始めるんだけど、雇い主である清彦の姉=智子(和田みさ)がなんだか胡散臭い。
古い一軒家に住むこの姉弟に親はおらず、実の弟である清彦を溺愛してる智子は、彼が一流大学に合格したら成功報酬として100万円払うなどと言って、美雪にプレッシャーをかけます。
ところが当の清彦は美雪を性の対象としか見ておらず、机の下に盗撮カメラを仕掛けるなどの変態行為がエスカレートし、ついに美雪を睡眠薬で眠らせ、全裸にして撮影&女体研究するに至ります。
ところが、いつもより早く帰宅した姉の智子に見つかっちゃう。そして全裸のまま美雪も目覚めてしまい、清彦、絶体絶命!……かと思いきや、取り乱す美雪を智子が殴って気絶させ、物置に監禁しちゃうのでした。
「暴れたりしないでね。もう人は殺したくないから」
そう言って智子は、物置で美雪を「飼育」しながら清彦の家庭教師を続けさせます。
早くに両親を亡くした智子と清彦は叔父の家に引き取られ、智子が夜な夜な酷い性的虐待を受け、見かねた清彦が叔父を殴り、智子がトドメを刺して死体を庭に埋めた。それ以来、智子は清彦の為にだけ生きていくことを決意し、密かに体を売って家計を支えて来たのでした。
清彦に対する智子の愛情には、姉弟の絆を超えたものがある。そして、清彦もまた……
智子の留守中に、清彦は物置から逃がしてあげることを条件に美雪とセックスするんだけど、その最中に呟くんですよね。
「お姉ちゃん……」
清彦の歪んだ性欲は、実の姉弟であるがゆえに成就できない、智子への愛に因るものだった。この姉弟は、女と男として愛し合ってる……
「気持ち悪いよ」
そう言い残して、美雪はその家から去って行く。警察に駆け込むか否か、葛藤する美雪の姿で映画は幕を下ろします。
盗撮、暴行、監禁はもちろん罪だけど、一度だけのセックスは合意の上だったし、あの姉弟はそっとしといてやって欲しいですね。いつかは破綻するのだとしても。
これは見応えがありました。AV界のトップアイドル、湊莉久さんのヌード&濡れ場が素晴らしいのは勿論のこと、智子役=和田みささんの熱演、そして実に映画的な演出、姉弟の正体が徐々に明かされていく構成も見事。
低予算のビデオ撮りエロ映画でも、稀にこういう良作があるからバカには出来ません。監督・脚本・編集の城定秀夫さんはエロ映画一筋の方だけど、以前このブログで絶賛した『エロいい話』シリーズもこの方の作品で、かなり信頼のおけるクリエイターとお見受け致しました。今後も要チェックです。
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