ハリソン君の素晴らしいブログZ

新旧の刑事ドラマを中心に素晴らしい作品をご紹介する、実に素晴らしいブログです。

『俺たちはあぶなくない』2020

2020-09-20 00:00:02 | 刑事ドラマ HISTORY










 
『クールにさぼる刑事たち』というサブタイトルがついてます。2020年の秋シーズン、毎日放送といくつかの関東ローカル局の深夜枠「ドラマ特区」でスタートした、毎日放送&TBSスパークルの制作による30分ドラマ。

☆☆☆☆☆☆☆

令和2年。日本人の多くにも、令和の生き方というものが身についてきた頃だろう。令和の生き方とはずばり“コスパを重視”すること。昭和の刑事は熱かった。平成の刑事は下り坂でも世のため人のために踏ん張った。でも令和の刑事は、見切っている! これからの自分の未来と平和のために戦うのだ!

人生百年時代の若者は、あぶない橋を渡らない。己のライフスタイルを守るのが彼らの正義なのである! そう、このドラマは全く“あぶなくない刑事”を描く、新時代のポリス・コメデイである!

(公式ホームページより抜粋)

☆☆☆☆☆☆☆

警視庁・麻布中央警察署に勤める、ラクして出世することしか考えてない世渡り上手の若手刑事=高野心に鈴木伸之、その相棒で推理力抜群なのに転職したくて仕方がない若手刑事=世中渡に佐野勇斗。

そんな2人を許せない先輩刑事に矢野聖人、その相棒に猪野広樹、刑事課長に井上肇、署長に近江谷太朗、そして高野に高級スイーツと引換えに情報を提供する内勤婦警=宇和佐好江に三吉彩花、といったレギュラーキャスト陣。

バディー物の刑事ドラマがやたら続きますが、そのうち『MIU404』と『キワドい2人』は本作と同じTBSスパークルが制作に絡んでおり、何か意図があっての連作と思われるので、世間で流行ってるワケじゃなさそうです。

その中じゃダントツで『MIU404』が面白かったけど、後は日テレの『未満警察』も含め「なんだかなあ」と言わざるを得ないものばかり。連ドラにとって脚本がいかに大切かをあらためて痛感します。

この『俺たちはあぶなくない』は、刑事物なんか好きでも何でもない若いクリエイターたちが、呑み会の席で「こんな刑事が主人公だったら面白くね?」「新しいんじゃね?」「若いイケメンにやらせたら可愛いんじゃね?」「女子にウケんじゃね?」みたいに盛り上がったものを、酔いが醒めないまま実行して世間に出しちゃった、みたいな企画だと私は感じました。

要領のいい主役コンビがいつもサボってるのを、運が悪すぎる刑事って設定の矢野聖人くんが何とか暴こうとするんだけど、やることなすこと裏目に出て結局は彼らに手柄を立てさせちゃう、ってなパターンをどうやら毎週繰り返すみたいです。

確かにイケメン好きの女子たちにはウケるかも知れないけど、そんなのは別に新しくも何ともない。今まで誰もやらなかったのは思いつかなかったからじゃなくて、やっても大して面白くならないことを皆が分かってたから。まあ、酔った勢いで創っちゃったなら仕方ありません。

矢野くんの運が悪すぎるっていう描写にしても、こっそり犯人に近づこうとしたら知り合いに「あ、刑事さん」って声を掛けられちゃうという、誰でも思いつくようなネタを初回だけで2回も使ってる。繰り返し(天ぷら?天丼?)のギャグだとしても発想が貧困で、アイデアを練りに練った結果とは到底思えません。酔っぱらってる人達に文句言っても仕方ないんだけど。

なにより解せないのは、そんな安易としか言いようがない番組に、三吉彩花さんが決して大きくない役でレギュラー出演されてること。矢口史靖監督の大作映画で主役を張られたメジャー女優さんが、一体なぜ? 酔った勢いで引き受けちゃったとしか考えられません。

そんなワケで、こんなドラマに三吉彩花さんが出てる!ってこと以外には、特に見所はありません。やっぱり仕事はシラフでやらなきゃいけないっていう教訓です。
 


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