☆第64話『九州横断大捜査網!!』/第65話『博多港決戦!!』(1981.1.4~1.11.OA/脚本=永原秀一&新井光/監督=小澤啓一)
「リキ」こと松田刑事役の寺尾聰さんが、その妻=星野真弓さんと初めて出逢い、交際するきっかけになったと思われる1981年正月第1弾、九州ロケの前後編です。
都内で精巧な偽一万円札が出回り、それを買い物に使ったカフェ店員のキョウコ(星野真弓)は結婚を間近に控えており、九州にいる兄のアキラから送られた祝い金を、どうやら偽札とは知らずに使ったらしい。
キョウコの結婚相手も九州におり、式も九州で挙げるとなると必ずアキラが現れるに違いない!ってことで、大門軍団は二宮係長(庄司永健)を東京に残して全員九州へ直行! 番組スポンサーの関連企業を巡りつつ決戦に備えます。
そして当日、案の定ノコノコと挙式に現れたアキラは、口封じの為に偽札組織から命を狙われ、あろうことか花嫁姿のキョウコが巻き添えを食って撃たれてしまう!
世にも愚かなこの兄=アキラを演じてるのが、前回レビューした『太陽にほえろ!』#425でも星野さんを死なせかける愚か者を演じた、三景啓司さん。偶然の一致なのか、あるいは星野さんとバーター(抱き合わせ)のキャスティング?
それはともかく、あとは逃げたアキラを追う偽札組織と大門軍団の死闘が2週に渡って描かれ、カーチェイス→銃撃戦→爆破の無限ループが続いていきますw
そして悪党どもを皆殺しにした後は、キョウコのやり直し結婚式をなぜか木暮課長(石原裕次郎)が仕切りw、それを物陰から見守る団長(渡 哲也)と手錠で繋がれたアキラ、いう大団円。もちろん今回も東京にはすぐ帰らず、事件と何の関係もない明子(古手川祐子)を呼びつけて、皆で朝まで豪遊するのでしたw
そんなワケで、星野真弓さんは花嫁姿を披露するものの出番はそれほど多くなく、リキ=寺尾聰さんと直接絡むシーンも残念ながらありません。
ただ、地方ロケとなると毎晩のように打ち上げという名のドンチャン騒ぎを催した筈なのでw、親しくなるチャンスはいくらでもあった事でしょう。どっち側からアプローチしたのか気になるところではあります。
しかしそれにしても、やっぱり『西部警察』のアクションはスケールの桁が違います。地方ロケになると尚更、スポンサーの関連企業とタイアップ出来るし、規制の厳しい都内じゃ不可能なことも出来たりするから、普段にも増して派手になっちゃうワケです。
のちに番組オープニングのタイトルバックで使われるカークラッシュや爆破シーンが今回いくつか見られるし、おそらく日本のTVドラマじゃ空前絶後であろう、ホバークラフトを使った水上チェイスは圧巻の一言! 確かジャッキー・チェン氏も『レッド・ブロンクス』あたりの映画でやってたけど、こっちの方がずっと早い!w
同じ星野真弓さんをゲストに呼んでも『太陽にほえろ!』とは全然違いますよねw 世間じゃ混同されがちだけど、こうして並べるとホント対照的。『太陽~』は青春ドラマで『西部~』はアクションドラマ。そもそもジャンルが違うワケです。
こんな凄いテレビ番組が毎週観られて当たり前だった時代に、青春を過ごした我々は果たして幸か不幸か?w 謎解きに明け暮れる昨今の刑事ドラマにちっとも満足出来ないのは、ああいう時代を知ってるがゆえの不幸なんですよね。
ゲストの三景啓司さんは、本名の「宮本和男」名義で「太陽にほえろ!」ジーパン期の名作「葬送曲」にゲスト出演しています。
劇中、ミュージシャンの三景さんがトランペットで演奏する葬送曲(大野克夫氏作曲)が、その後の「太陽にほえろ!」のバラードBGMに使われる様になります。
地方ロケ、ありました!。大きなパネルバントラックに機材を積んで…なんてやっていたような気がします。ウチの地元にもロケが来まして、撮影を見に行った覚えがあります。
番組の最後は皆が地方の名物に舌鼓を打ちながら、♪〜みんなぁ誰かに愛されて〜そしてぇ誰かを〜あいし〜てる〜♪が流れて終わったように覚えています。
地元にロケ隊が来たとは羨ましい! どこが破壊されたんでしょうか?w
あの時代でしか有り得ない番組でしたね。石原プロが静かに解散していったのはやっぱり寂しいです。