2021年春シーズン、フジテレビ系列の火曜夜9時枠でスタートしたカンテレ制作による連続ドラマ。脚本はあの『それでも、生きてゆく』『最高の離婚』『カルテット』等の坂元裕二さん!
引退した元社長の指名により、建設会社「しろくまハウジング」の新社長に仕方なく就任した、実はかなり不器用なヒロイン=大豆田とわ子(松たか子)と、かつて夫婦だった3人の男たち(松田龍平、角田晃広、岡田将生)との不思議な関係を描いたロマンチック・コメディーです。
そう、まさにハリウッドのロマンチック・コメディー映画を彷彿させる華やかさ、オシャレさ、楽しさで、現在放映されてる幾多の連ドラ群とは格段にレベルが違う!と言わざるを得ません。
恋愛系のドラマに対して私がどうこう言うつもりは無いけど、この坂元裕二さんや古沢良太さん、野木亜紀子さんあたりが手掛ける作品と、その他の作品との「格差」があまりに広がり過ぎてるのが気になって、それを言いたくて記事にしました。
いや、思えば昭和の時代から山田太一さんや倉本聰さん、向田邦子さん等が脚本を手掛けられた作品は同じように「別格」だったけど、現在ほどの極端なレベル差は無かった気がするんですよね。もはや「ひと握りのプロフェッショナルとその他のアマチュア」ぐらいの違いを今は感じてしまいます。内容の好き嫌いは別にして。
それは単に脚本のクオリティーや制作費の差だけじゃなく、新しくて面白い作品を生み出してやるぞ!っていう気概の部分から違ってる気がしてなりません。要するに、燃えてるか燃えてないか。創作に命を賭けてるか賭けてないか。
上に挙げた作家さんたちが揃って寡作なのも、自信が持てない作品は決して世に出さない、そのせいで仕事が減っても構わないっていう、覚悟がきっとあるからでしょう。その気迫に感化されて他のスタッフもキャストもみんな燃えるんだと思います。
それが画面からひしひし伝わってくる『大豆田とわ子と三人の元夫』は、やっぱり抜群に面白いです。話の筋がどうであれ掛け合いの1つ1つがいちいち笑えるから、退屈することはまずありません。
ただし、だからと言って私が本気でハマるかどうかは今のところ未知数。たぶん、ハマらないだろうなと今は思ってます。
私がアクション物以外の作品にハマる条件はただ1つ。自分自身を投影できるキャラクターがそこにいるかいないかだけ。
残念ながら『大豆田とわ子と三人の元夫』に出てくるのは、みんな揃ってセレブでオシャレでカッコ良くて、私とは別世界に生きてる人ばかりです。
とわ子さんがいくら不器用だと言っても仕事はデキるし、3人の元夫たちから今も熱烈に愛されてますから。その元夫たちにせよ、それぞれ欠点はあるしそれが笑いを生んでるワケだけど、結局皆さんカッコいいですからね。
それが悪いとは決して思いません。ただ、私自身に当てはまる人物が出てこない限り、本気でハマることは有り得ないってことです。角田晃広さんには期待したけどw、ああ見えてやっぱカッコいいワケです。
けど、観て楽しめるのは間違いないですから、たぶん最終回まで欠かさず観るだろうとは思います。もちろんオススメの1本です。
レギュラー女優陣はとわ子=松たか子さんを筆頭に、その娘役の豊嶋花さん、親友役の市川実日子さん、龍平くんと恋に落ちそうな石橋静河さん、とわ子社長の右腕となる高橋メアリージュンさん、角田さんをたぶらかす瀧内公美さん、そして岡田くんと深く関わっていきそうなホームレス女性=翼を演じる石橋菜津美さん、ついでにナレーションが伊藤沙莉さん! 上手くて華やかで、かつ個性的な人が揃ってて実に魅力的。それだけでも観る価値じゅうぶんアリです。
だんだん面白くなってきました。
パーフェクトです
色合いが素晴らしいです
30インチくらいのテレビで
見ないと、この質感は
伝わらないと思います
画作りが映画です
エンディングの毎回違う演出も
素敵すぎてたまんないです
私の中で映像作品のお手本です
視聴率はどうやら控えめのようで、ドラマ内容も含めてこれはどうやら玄人向けの番組。良くも悪くも、坂元作品はいつもそうですよね。