☆第14話『そして拳銃に弾をこめた』
(1972.10.20.OA/脚本=長野 洋&小川 英/監督=手銭弘喜)
刑事達が拳銃を所持した殺し屋を追跡中、たまたま通り掛かった画家志望の娘=桂子(鳥居恵子)が銃撃戦に巻き込まれ、撃たれてしまいます。
桂子は街で似顔絵描きをやってて、ゴリさん(竜 雷太)の似顔絵を描いた事もあり、それで声を掛けたばかりに巻き込まれたのでした。
ゴリさんは普段、拳銃に弾丸をこめてません。もしあの時、すぐに撃ち返してさえいれば、桂子は撃たれずに済んだかも知れない……ゴリさんは苦悩します。
幸い、桂子は一命を取り留めました。見舞いに来たゴリさんに、彼女は南の島で気ままに絵を描いて暮らす夢を語ります。どうやら桂子はゴリさんに憧れを抱いてるらしく、ゴリさんも満更じゃない様子。
ところが、ゴリさんが病院を後にしてから僅か2時間後に、桂子は息を引き取ってしまいます。モルヒネを多量に摂取した事によるショック死で、ゴリさんは彼女が殺された事を確信します。
なぜ、桂子は殺されたのか? その鍵を握るのは、桂子の画家仲間……というかヒッピー仲間で、彼女に惚れてる哲男(渡辺篤史)という若者。やがて捜査線上に麻薬組織の存在が浮かび……
ゴリさんの「拳銃に弾をこめない」主義がストーリーに活かされた最初のエピソードであり、ゴリさん初のロマンス編でもあります。
また、主役の刑事が好きになった女性、あるいは天使みたいに明るい少女に、実は暗くて悲しい秘密が……っていうパターンが、最初に使われたエピソードでもあります。この「女優列伝」を続けて行けば『太陽にほえろ!』が……というより昭和の刑事ドラマが、如何にこのパターンを好んで使ったかがよく判ると思いますw
桂子を演じた鳥居恵子さんは、石原プロに所属してた女優さんで、前年公開の日活映画『男の世界』じゃボス(石原裕次郎)やスコッチ(沖 雅也)とも共演されてます。(最後の画像)
天真爛漫な雰囲気が実に私好みで、萌えますw あまりセクシーショットは公開されてなかったみたいで、本作のイメージシーンにおけるビキニ姿は、結構レアかも知れません。
『太陽』では後に第682話『揺れる命』(ブルース編)にも出演されてますが、どちらかと言えば東映系の刑事ドラマ(『Gメン75』や『特捜最前線』)に数多く出演されてたみたいです。
私生活では藤岡 弘さん(ドラマ『白い牙』で共演)と結婚→離婚されており、その辺り(1990年)を機に出演作は途絶えてます。(Wikipedia情報)
鳥居さんも良かったけど、彼女の秘密を守る為、麻薬組織に挑戦しようとする純情野郎=哲男を演じた渡辺篤史さんも素晴らしいです。若い頃から上手かった俳優さんですよね。
こういうストーリーは今やるとクサくなっちゃうんだけど、’70年代にはよくハマります。ヒッピー・ファッション等、当時ならではの文化も楽しめる好編です。
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