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『噂の刑事トミーとマツ』#05

2020-08-03 12:00:45 | 刑事ドラマ'70年代










 
☆第5話『トミマツ真っ青・女の戦争』

(1979.11.14.OA/脚本=江連 卓/監督=土井 茂)

トミー(国広富之)とマツ(松崎しげる)の勤める富士見署管内でひったくり事件が多発し、防犯協会会長=長沼(織本順吉)の一人娘=美奈子(森田あけみ)も被害に遭います。

美奈子はトミーの姉=幸子(志穂美悦子)から護身術を習ってる生徒の1人で、マツが片想いする数多の女性の1人でもあり、トミマツは捜査に燃えます。

そして浮かんだ最有力容疑者の工藤(風間杜夫)が、なぜか美奈子に再接触し、誘拐しちゃう。工藤はひったくった鞄から見つけた彼女の家族写真を見て逆上したのでした。

「お前の父親は、20年前に俺とおふくろを捨てて若い女と……つまりあんたの母親と蒸発した、俺のオヤジだよ」

美奈子は今、妻子ある男と不倫関係にあり、父親の長沼から猛反対されてるんだけど、その長沼自身も実は不倫相手と再婚し、美奈子の父親になったワケです。

そもそも工藤は金に困ってたワケじゃなく、ただ自暴自棄になってるだけ。工藤は美奈子の命と引き換えに、5千万の現金をビルの屋上からばら蒔くよう長沼に要求します。

ところが! よく調べてみたら長沼に捨てられた息子=ミノルは、すでに病死してることが判明します。工藤はかつて少年院で出逢ったミノルの親友で、同じように親から見捨てられた孤児なのでした。

かくして工藤の正体を知りながらも長沼は、言われた通りに5千万円をビルの屋上からばら蒔きます。ミノルに対する懺悔の言葉を叫びながら……

それでも満足出来ない工藤は、美奈子にナイフを突きつけてわめきます。

「今さら遅いんだよバカヤロー! 俺たちを捨てたお前らは、俺たちが何をしたって非難出来ないんだよっ!」

その気持ちは理解しつつも、トミーとマツは言います。

「それはちょっと違うんじゃないのか? キミは自分の境遇に甘えすぎてる!」

「他人様のせいにしても何の解決にもならないのが、お前には分かんねえのかっ!?」

「うるせえーっ!!」

二人がかりで火に油を注がれてw、さらに逆上した工藤は車で逃走。ここでマツがその車の屋根に、トミーがボンネットにしがみつき、決死のカースタントが展開されます。暴走する車に刑事がしがみつくアクションシーンは定番なれど、二人が同時にしがみつくってのは他に見た記憶がありません。さすが大映ドラマ、良くも悪くもひと味違いますw

今回はサブストーリーとして、ろくでなしの夫(団しん也)に浮気され蒸発された妻(あき竹城)が、幼い2人の子供を連れてテレビに登場し、情報提供を乞う姿(そういう番組、ありましたね)も平行して描かれ、工藤が起こした事件と互いに影響を与え合うことになります。

「帰ってやってくれよ、この子たちの為によ」

逮捕された工藤がろくでなし男にそう声をかけ、「てめえが偉そうなこと言うな!」と言いつつもマツが男泣きする、ちょっといい話でした。

過去の過ちと向き合わざるを得なくなった長沼も考え方を改め、美奈子の恋愛(不倫相手が正式に離婚したらしい)を応援するようになり、片想いのマツはさらに涙を流すことになります。

いかにも昭和っぽい話に感じるけど、子を捨てる親は今でも沢山いるだろうし、むしろ増えてるかも知れません。ただ、浮気して逃げちゃうのがいずれも男の側で、女性ばかりが被害者なのは昭和ならではかも知れません。現在は(少なくともドラマの中では)逆パターンの方が多い気がします。

とにかくゲストが豪華ですよね。風間杜夫さん、あき竹城さん、団しん也さん、織本順吉さん、そして森田あけみさん。

森田あけみさんは芸能活動が短かったのかプロフィールが見当たらず、オークションで見つけた水着グラビア(週刊『平凡パンチ』'75.10.6号)時点で16歳ということは、当時20歳ぐらい。

恐らく本職はモデルさんで、これより1ヶ月前に放映された『太陽にほえろ!』#377にもゲスト出演されており、この時期だけ女優業に力を入れておられたのかも知れません。
 


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