屯田物語

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詩集<四季の風>夕愁白嶺<宵宮>

2022年06月01日 | 四季の風
<宵宮>
 旭川地方の童歌を含む

ろぁそくだぁせぇ
   だぁせぇよぉ
 だぁさぁないとかっちゃくぞ
 おぁまぁけぇにぃくいつくぞ

天の川宵宮六日
浴衣着の童等の
手に手に点る提燈は
ゆらゆらゆれる赤螢
ゆらゆらゆれて童歌


高校時代(昭和34年~35年頃)の演劇部のフイルム写真をPicMaで絵画風にアレンジしてみた。

詩集「四季の風」夕愁白嶺<願い>

2022年04月17日 | 四季の風
<願い>

詩は水でありたい
心の渇きを潤す水でありたい
悔恨に 涙に不純に汚れに
乾涸びた熱砂のごとき
一点の緑もないかさかさの心に
希望と夢と純潔と清新を
生々と蘇甦らせる
詩は水でありたい

詩は雨でありたい
歓喜を雪ぐ雨でありたい
たとえば雨上りの大気のごとき
さわやかな湿りの中に
しかも大きな虹のごとき
心と心の結びの中に
そして心地よい感触を呼ぶ
詩は雨でありたい

詩は泉でありたい
新鮮な血潮の泉でありたい
生命の躍動と活動
清澄な魂の誕生
こんこんと湧き出す未来を
溢れるばかりに掬わせて
野心と抱負をいだかせる
詩は泉でありたい

詩は細流でありたい
懐かしい調べの細流でありたい
春の日の恋歌
夏の日の童歌
秋の日の溜息
冬の日の独言
人生の四季を歌う
詩は細流でありたい

詩は大河でありたい
生生流転の大河でありたい
七転八起人生を歩き
幸福の道標を尋ね
渦巻と激流の人生を
漕ぎ分け乗り越える
闘志と忍体をもたらす
詩は大河でありたい

詩は汀でありたい
優しい感傷の汀でありたい
あしたに ゆうべに 春秋
潮騒も 潮風も
海草も 貝殻も
朝千鳥 夕千鳥
揺り籠の波の唄
詩は汀でありたい

詩は海でありたい
広大な心の海でありたい
蒼々と理想の深く
悠々と物に動ぜず
哀傷と 怒号 と 不安に
慰めと 微笑 と 信頼を
雄大な愛と信仰の彼方
詩は海でありたい

時は童でありたい
素直な無邪気な童でありたい
欺瞞も 偽善もなくて
真実と 真意に満ち

苦悩も 煩悩もなくて
健康と 友愛に富み
元気に飛廻る
詩は童でありたい

詩集「四季の風」夕愁白嶺<子供等と麦畑>

2022年04月16日 | 四季の風
<子供等と麦畑>

五月晴なる昼下り
麦藁帽子に陽を受けて
新緑の息吹きうち悶う
麦の穂の畑中を
子供等と穂を撫で撫で
菫 蒲公英 摘草に
花輪あみ 飾りつけ
彼方此方追いつ追われつ
子供等と畑中の戯れ
麦の穂はふさふさと
子供等の黒髪のごとく

波打ちて傾きぬ
畑中の草笛に
眩しき子供等の顔
草笛の細かに鳴りて
その節は楽しき
畑中の道のかたすみ
名も知らぬ野花一群
愼ましき薄化粧に
咲くもよし麦の小影
暖かき五月の陽射しに
麦は緑にもえ上がり
子供等の頬染みて
きらきらと汗の小粒は
銀色に輝きぬ

詩集「四季の風」夕愁白嶺<さつき>

2022年04月10日 | 四季の風
さつき

五月雨の煙る庭石の横に
薄紅紫のさつきは咲きぬ
しとしとと霧雨に濡れて
冴え渡るさつきの肌色
心よい雨のなびきに
清々しき湿りの感触
朝明けの豆腐売り
牛乳屋の壜の音
さびさびと涼しき思い
肩ほどの竹垣沿いに
好しき朝の散歩
下駄ばきの素足にかかる
ひんやりと冷えた雨
誘はれしさつきの肌にか
朝早きさつきのあやな

詩集「四季の風」夕愁白嶺<四月の雨>

2022年04月03日 | 四季の風
<四月の雨>

四月の雨 緑の雨
春愉し 春思う
歓喜は都大路を
若芝を 街路樹を
誰が許ぞ
足ばやに通り過ぐ
雨燕通う四月の
糸柳芽吹き染みて
しなだれ眉びしも
心なき人な手折りそ
敷きつむ千草 百草

そこかしこ花の数々
歓喜の四月の雨に
もえ渡る緑と紅
吾が恋ぞ
四月のよろこび
吾が思い
四月の雨 恋の雨
石だたみ都大路を
雨傘に 雨下駄に
片時そぞろ歩みつつ
そこはかと思い巡らば
恋しきや汝ぞ面影
しみじみと心入る
汝ぞ小唄 雨の音

詩集「四季の風」夕愁白嶺<宿の女>

2022年03月27日 | 四季の風
<宿の女>
宿の女は
山形の生れだと云う
私の生れが
北海道だと云うと
宿の女 リエさんは にこっと笑った
北国の三月はまだ一面が雪だ
リエさんは京都の方が幾か寒いと云う
雪のある方がまだしも暖かだと云う

私にもそんな記憶がある
牡丹雪の降った時など
割方暖かなものである
リエさんは故里の話を聞かせくれた
リエさんのはちきれそうな躰が
東北の子供達の
リンゴ色した頬を思わせる
遠く離れた旅空で
お国自慢は楽しいものだ

詩集「四季の風」夕愁白嶺<京都の雨>

2022年03月26日 | 四季の風

<京都の雨>

京都の小夜の雨は
泣きそぼつ女のように
青白きうなじにて
細々と降り頻きる

さびさびと京都の雨は
優雅な京人形のように
色白くなまめきて
薄らと降り敷きる

しとしとと京都の雨は
舞妓の小唄のように
せつなげに悶えて
行く人の肩を打つ

京都の雨の心は
小町娘の袂のように
知染めた文の数々の
儚い慕情だと思う

京都の春雨は
泣きそぼつ女だと思う
京都の時雨は
泣きそぼつ女だと思う

詩集「四季の風」夕愁白嶺<京の酒>

2022年03月25日 | 四季の風

<京の酒>

祇園 茶屋町
  舞妓に芸妓
    とろりと色っぽい

 京の酒
  今日の酒


昨年の3月24日は札幌の積雪ゼロだったというが、
今年はまだ60㎝も残雪がある。
3月12日にパートナーシップで北側の道路の除排雪をやってもらったが、
あれから雪解けがどんどん進んで道路の雪はすっかり消えてしまった。
ただ、両サイドの雪壁はまだ高くて、今冬の大雪がいかに凄かったかを物語っている。