屯田物語

フォレスターとα6000が
旅の仲間
さあ、カメラを持って
出かけよう!

ひとり林に・・

2011年09月17日 | 日常


堀辰夫が「雪の上の足跡」で立原道造の思い出として語った そのときの詩・・
<雪の底>をキーワードにして検索すると容易に見つけることができた。

ひとり林に・・

 山のみねの いただきの ぎざぎざの上
 あるのは 青く淡い色 あれは空
 空のかげに かがやく日 空のおくに
 ながれる雲……私はおもふ 空のあちこちを


 夏の日に咲いてゐた 百合の花も ゆふすげも
 薊の花も かたい 雪の底 に かくれてゐる
 みどりの草も いまはなく 梢の影が
 葵色の こまかい線を 編んでゐる

 ふと過ぎる……あれは頬白 あれは鶸(ひは)!
 透いた林のあちらには 山のみねのぎざぎざが
 ながめてゐる 私を 私たちを 村を――

 すべてに 休みがある ふかい息をつきながら
 耳からとほく 風と風とが ささやきかはしてゐる
 ――ああ この真白い野に 蝶を飛ばせよ!……


ただ、わたしの持っている立原道造詩集の”ひとり林に・・・”には是とは違う詩が載っていた。