
たとえば君
ガサッと落葉すくふやうに
私をさらって行ってはくれぬか
河野裕子 二十一歳、出会いのころ
以前、この歌に接したとき、素直で切れがある表現にいたく感心していたが、
あとで、「たとえば君」の君が出会ったころのご主人(永田和宏さん)だと知って、大いに納得したものである。
河野さんは六十四歳で亡くなった。乳癌であった。
歌を通じて知り合い、結婚してお互いを詠う歌をたくさんつくっている。
四十年にわたる相聞歌は愛しく優しく、
そして、河野裕子さん絶筆の歌がとても悲しい。
手をのべて
あなたとあなたに触れたきに
息が足りないこの世の息が
本を何冊か借りて石狩図書館を出ると、外は凄まじいブリザード!
えぇ~い、なんとかなると思って車を走らせてみたが、なんと、道の境界がわからず、
吹き溜まりに思い切り突っ込んでしまった。
図書館で吹雪きが納まるまで少し待つべきであったと後悔しきり、
でも、無事に帰ることができてなによりである。