屯田物語

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ソーセージに芥子

2013年12月17日 | 日常


短歌という詩型において、世界平和、環境保護といった理念は殆ど作品にならない。
不思議なことであるが、この詩型においては、
ソーセージに芥子がのっているというようなことが俄然輝きを放つのである。
         加藤治郎「うたびとの日々」


なるほど、そういうものかと頷いてしまう。
短歌とは関係ないが、宮崎駿監督の「風立ちぬ」の感想である。
ゼロ戦の設計者・堀越二郎と作家の堀辰雄をモデルに、1930年代の日本で飛行機作りに情熱を傾けた青年の姿を描くアニメであるが、
いささか内容がてんこ盛り過ぎて、詩的とかロマンとかはあまり感じられなかった。
「風立ちぬ」というタイトルありきで節子が菜穂子になってしまったようで、
パラソルが舞うシーンだけが宮崎アニメらしくて美しかった。
この映画が好きなひとは好き、嫌いなひとは嫌いでかまわないが、
それだけ個人的なアニメであるということだけだ。
わたしは「ソーセージに芥子」のほうが好きなだけである。