西勝洋一君の新刊 短歌の周辺 を紹介したい。
著者は日本歌人クラブの北海道代表幹事で北海道新聞短歌賞の審査員だが、
わたしとは高校時代からの友人という縁がある。
折々の記
著者の過ぎし日々の出来事や人との交流が丁寧に語られていた。
ラーメン雑記・私の年末・年始は「屯田物語」に掲載したこともあって懐かしいエッセーである。
(下線をクリックするとご覧になれます)
追悼の記
大村正次―逍遥歌のことなど
大村正次は高岡の詩誌「日本海詩人」の主宰者であった。
井上靖が金沢の旧制四高の生徒のとき大村に詩を送り「日本海詩人」に載せてもらったこと、石動に在住の大村を訪ねて夕食を御馳走になったことが井上の文章にあるそうだ。
大村正次は旭川東高の逍遥歌を作詞された大村先生ご本人のことだ。
かの美しい詩が「生物」を教える教師のなにから生まれたものか不思議であったが、
短歌の周辺 で著者が語ったように少しだけわかったような気がする。
「このように大作家の文学的出発に立ち会った詩人が何故戦後に旭川まで来て勤めることになったのか。・・・ただ、あの「逍遥歌」の五番だけが私には異質な感じがして意味が不明だったが、その背後に先生の人生の思いが込められていたのではないかと今は思うようになった。」
かくまで遠く来しものを
山の紅葉の涯なしや
神居古潭の夕まぐれ
故郷母の呼ばふなる
野をわたる陽光(ひかげ)と風にまぎれつつかの少年も光りて駆けし
齋藤史
「サロベツ原野」へ西勝くんたち同期と旅する