なんという鳥だろうか、あまり見たことがない鳥がベランダにとまっていた。
「日暮の汽車」は詩誌「日本海詩人」に発表された「或る日の發車」を以下のように加筆修正して詩集「春を呼ぶ朝」に掲載した。
泣きながら のあとに また同じ を加筆した。
「詩を作るといふこと」 大村正次
私は一つの詩を完成するためにいつでも数十回位は原稿が書き替へられる。
今度こそ詩の實体をつかんだと思って清書する。何回も聲をあげて讀んでゐると悪いところが見えて來る。二三日して讀み返へすと又新たなる欠点に気付く。これで完成と思って一月もほつて置いて出して見ると全然気に入らなくなってゐる。わたしの詩は最後まで未完成だといふ気がして來る。
大村正次著「春を呼ぶ朝」
―故郷の電車―
日暮の汽車
さまざまの
さまざまの
この日暮の汽車
なにかかなしみたえず
泣きながら また同じ
己の軌道を辷って行った。
灰色の野の巣へ辷って行った。