屯田物語

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詩集「四季の風」夕愁白嶺<町>

2024年08月31日 | 四季の風
第10期旭川東同期会は、旭川・札幌・東京・関西地区と年に3~4回開かれていたが、2019年の旭川同期会がラストを迎え、いまは東京同期会のみとなった。

白嶺は旭川出身(第6期・旭川東)なので、「町」はもちろん旭川市である。

<町>

縦横がきちんと整頓された町
障子の目のように四角に句切られた町
素朴で落着いた可愛い町
其の町角を雪交りの風が吹く
縦に走りながら 横に走りながら
町角に行交う人を止惑わせる
縦横の風が町角でぶつかると
粉雪が奇妙な影を作る
雪女のような 白鳥のような
美しい一瞬の幻想を
そして又直ぐに縦横に別れて走って行く

私の思い出と貴女の思い出とが
縦横に走って町角で出会うと
暖かい懐かしい影が出来る
私の吐息と責女の吐息とが
粉雪の奇妙な影のように
白い線を描いて解合って
町角に微笑を落した
あの頃のなにも知らない
二人の後姿のような
美しい一瞬の思い出が
そして又直ぐに縦横に別れて走って行く


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