品川と田町のあいだに新駅ができる。
山手線の駅は全部で29なので、これで切りよく30になるわけだ。
昭和35年に上京したときは西日暮里がなくて山手線の駅は28であったが、
昭和46年に29番目の駅として西日暮里が建設された。
池袋を起点にして山手線の駅名を順番に諳んじていたから割り込まれるとまごつくばかりである。
当時は中央線や京王線、井の頭線、西武池袋線、西武新宿線の路線図も憶えていた。
東京はどこにいても迷うことはないと自負していたが、
東京を離れて46年、山手線以外の路線図の記憶はすでにおぼろになった。
しかも地下鉄は毛細血管のように隈なく張り巡らされていて、
「東京の地理は熟知している」、そんな自信はとうにない。