さて、本日は、何と、
ロシア語ガイドの大先輩からの仲介仕事。
ちょっぴり、興奮気味で、駅へやってきました。
京都駅。毎度おなじみの、八条口。
【八条口、午前11時40分】
サンディ先輩 : あれ、ゴタちゃんじゃない。どうしたの?
ゴタ、というのは、私、山田のニックネームです。
山田 : どうしたのって、仕事じゃないですか。
仕事。ちゃんと、やってんですから。
サンディ先輩 : そう?車は?
山田 : もう、サンディさんに、
白タクゆわれたらあかんから、
きょうは、チャーター。
サンディ先輩 : え?ハイヤーなの?
山田 : わはははは。どうだ!こういう日もあるのだ!
このとき、サンディさんのお客様が現れ、ご出発。
ボケには、突っ込みがないと、
ほんまのアホになってしまいます。
あほで、合うてますけど。
ヾ(@^▽^@)ノ
【20分前。いよいよ、新幹線のホームへ。】
13番プラットフォームへ。
お迎えの「のぞみ」は、12:28
只今、時刻は、12:18。
「どんな人かな?」
指図書には、Ms.BABAYEVA AYTAJ + 1PAX
となっています。
これで、2名のお客様という意味になります。
うち、1名は女性です。
もう1名は、性別不詳。
12時28分。
入って来ました。新幹線。止まった。ドアが開いた。さて、
ゾロリ、ゾロリと出てくるお客。
「あっと、見つけた。あれだ。あの東洋風の女性2名。」
向こうも、ゴタを見つけました。
向こう : ハーイ
こっち : ハーイ。
I 'm your tour guide today. Nice to meet you.
向こう : I'm 何とか、かんとか、ペラペラペラ。
山田 : 何か、よく聞き取れないが、
オー、イエス。ザッツ グッド。
ええかげんなガイドで、申し訳ない。
アユタージュ様は、姉妹で、ご旅行です。
眉毛が濃く、トルコ風の、異国情緒あふれる
女性です。
国籍は、アゼルバイジャン。
首都は、バクー。カスピ海を臨む国です。
・・・・と、調子よく書いているが、
山田も、よく、場所がわからないので、
今、地図を見ながら、書いています。
車は、何と、山田の前職場、ヤサカヤクシー。
どっこいしょと、荷物をトランクに積み込みます。
OK。
ドライバーさんのお名前は、プリンプりンさん。
さっそく、スタートです。
レッツゴ~~~~ン
【日程によりますと・・】
日程は、このあと、京都観光です。
指示書によりますと、
《 金閣寺~二条城~清水寺~ホテル送り 》
この日程表を見て、京都地理に詳しい人は、必ず、1番に、
「二条城」
を選ぶ。なぜなら、二条城のパーキングは、
堀川通りを御池から北上しなければ、
入れないことと、清水寺を先に行くと、
お土産売り場で、時間がかかりすぎて、あとの
調整がしにくくなるからだ。
まあ、そういうことで、
「二条城」
を先に行く旨をお客様に伝えます。
バベーヤ
(姉)さん: Does that castle relate to ninja ?
それって、忍者と関係がある?
山田 : No, not particularly.
いや、そんな関係というようなほどのことは・・
バベ-ヤ
さん : Oh、Okay.
そう、いいわ。
【二条城】
山田、4年間のガイド業で、はじめて、新記録。
このお城をたった、20分間で、出てくるとは!
山田 : This room is called "Tozamurai room"
where visitors were led as a waiting room.
ここは遠侍(とおざむらい)の間で、
待合室の役割・・・
バベーヤさん: Go ahead, Mr.Gota
In this room , there's nothing to see.
次、行きましょう。
だって、何も、見るものがないじゃない。
山田 : This is what is called a reception room,
or shikidai-no-ma-room
where a lot of gifts from Daimyo,
or feudal loads who
would like to see Shogun・・
ここは、式台の間、つまり、受付だったところで、
将軍と謁見を求めた大名たちが
贈り物を手渡した場所で・・・
バベーヤさん: Let's go next !
次、行きましょう。
山田 : This is o-hiroma, or the big room
where a historically famous event was held.
The event was so called "
declaration of restoration of
a reign of government to
the Emperor. It was in 1867 that・・
ここは、有名な場所で、
大政奉還が行われた場所で、1867年に・・・
バベーヤさん: Go and skip.
行こ。(おもんない!)
アイーシャさん: Mr. Yamada, why the tape
repeats the shelves there.
山田さん、テープ(の案内)どうして、
あの棚のことばかり言うのさ?
山田 : That shelf ? It's called staggered shelves.
Very symbolical of aristocratic style
Even the shogun felt prestige toward
that kind of shelves.
ああ、棚ねぇ。あれは、違い棚といって、
書院作りという貴族スタイルの部屋の
象徴なのです。将軍さえ、貴族にあこがれたわけで、・・
バベーヤさん : Okay. Let's go next.
ああ、わかった。次行こ。次。
山田 : Wait a minute, please !
Look at the panels there.
There is a hidden room
behind the panels.
Inside of it,
several samurai warriors hide themselves
for security.
ちょっと、待って。あのふすまをごらん下さい。
ふすまの向こうに、隠し部屋があってね。
護衛のさむらいが、隠れていたんです。
バベーヤさん : Alright. Let's go next.
はい、じゃ次、行きましょう。
山田 : (ガックリ) (負けそ~)
山田 : This is black study room, one of rooms
used as a conference room.
ここは、黒書院と言って、
会議などの、ここで行われました。
バベイヤさん :Let's go next.
はい、次。
(私は敗北者)
ヽ(゚◇゚ )ノ
【庭を見ませんか? 見ません!】
二の丸御殿の見学は、わずかに、10分程度。
新記録がでました。
この最短時間は、
「4時閉門なので、お急ぎ下さい。」
といわれたときよりも、まだ早い。
金メダルを差し上げたいと思います。(あればネ)
山田 : Just take a little look at the garden.
ちょっと、お庭を見ましょう。
バベーヤさん:No, Mr. Yamada Let's not.
No shadow at all there in the garden.
だめよ、山田さん。
だって、庭って、影がないから、やめましょう。
と、いうことで、直行で、戻ります。
かくして、新記録樹立!約17分。
ドライバーさんも、びっくり。
. 【次は、金閣寺だけど、】
山田 : We are going to Kinkakuji Temple.
Famous for its golden pavilion.
金閣寺に行きまっせ。金閣で有名な寺です。
アイー
シャさん : No no we'd like to see a theme park.
だめよ。テーマパークがいいわ。
(あるか。そんなもの、京都に。)
山田 : Sorry to say, there's no such in Kyoto.
すんまへんなあ。
そんなん、京都にあらしまへん。
これを聞いていたドライバーさんは、
ドライ
バーの
プリンさん : そしたら、山田さん、映画村はどうですか?
映画村、というのは、ベリグー。
山田 : How about a movie village ?
映画村はいかがですか?
アイーシャ
(妹)さん :What's that ?
何、それ?
山田 : A kind of theme park centering on
the movie or cinema.
There are location settings, theater
テーマパークみたいな所で、
映画がそのテーマになってます。
バベーヤ
(姉)さん: I don't understand well.
Can you be more specific on that ?
ようわからんな。
もっと、よう説明しておくんなせえ。
山田 : The cite is owned by a big movie company
called " Toei film company".
The neighboring zone is now actually
used as a film studio.
And if you are lucky,
you might as well come across
some of famous actors and actress.
そこはね、東映ゆう映画会社の所有地で、
隣のゾーンには、実際の撮影所
がありますねん。運がよければ、
有名な俳優さんや、女優さんにも会えますで。
ドライ
バーの
プリンさん: ガイドさん、ちょっと、言い過ぎでしょ?
そんな簡単に俳優さんに
会えるなんて、ゆうたら。
そして、ドライバーさんは、会話に入り込み、
プリンさん : Not so many actors and actress
come to get film taken.
Only a few drama shootings
are sometimes taken.
But they are not open to public.
そんなに、俳優さんや、女優さんは、
撮影には来ませんで。
いくつか、ドラマは、撮影されてますけど、
一般公開ゆうわけではありません。
ドドド ドッカ~~~ンと、山田ロケット発射。
(な、なぬ~?! この人、英語しゃべるやん。)
何が困るゆうても、ガイド本人をホローしてくれるのは、
ありがたいが、
こちらの存在意義がなくなる。
商売あがったり。店じまいせな。
案の定・・・
バベー
ヤさん : Oh wonderful.
He knows English far better than you.
あらー、こちらの方、あんたより、ずっと、
英語出来るじゃない!
よくご存じで、まあ。
山田 : (いや~~ん。)
穴があったら、どっか、入りたい。
穴を求めて、ひとりゆく・・ことも出来ず、
そのまま、4人は、太秦の東映村に
行ったとさ。
プリンさん: そしたら、山田さん、私は、向こうの、
離れた場所のパーキングで、待機
していますので、出てくる5、6分前にお電話下さい。
山田 : はい、わかりました。
バベー
ヤさん : はい、わかりました。
山田 : Oh, you speak Japanese ?
え?え~? しゃべるの? 日本語。
バベー
ヤさん : 少し、勉強します。
山田 : (あー、よかった。へんてこな日本語で。)
Wonderful. いいですねえ。
ヾ(@^▽^@)ノ
エージェント・・・(は、休みとは知らず)
と思われるコーラスツアーのマリアカラス
さんに、連絡。
お客様の都合により、行き先変更。
入場料金は、誰が支払うか。
返ってきた答えは、お客様が、支払う。
ガイドの分も支払う。以上。
バベー
ヤさん: Is it against stipulation
if you stay in the car ?
あんたさ、車で待ってたら?
規則で来なくちゃだめ?
窓口では、ガイドは、無料で入れるという。
たすかった。
そら、お客は、それでいいが、やはり、こっちとしては、
エスコートの責任があるぜ。お嬢さんがたよ。
映画村には、スケジュール表があって、
この日は、午後2時から、
アトラクションシアターで撮影紹介があります。
山田 : Ok.It looks in this way. Let's go.
こっちだな。行くぜ~。
アイー
シャさん : Are you sure this time ?
こんどは大丈夫なの?
バベー
ヤさん : Are you sure ?
たのんまっせ。
山田 : Sure.
まかせなはれ。
午後2時。なんとか、間に合いました。
時代劇の撮影紹介です。
舞台には、解説者兼監督が立っています。
忍者もいます。そして、新撰組も。
客席と舞台の間に、
照明と効果音の席が設けられています。
観客席には、 お客さんが他に大勢いらしゃいます。
なので、姉妹には申し訳ないが、
通訳は、要所だけ、ポツリ。
二階から忍者が矢を射るのですが、
ピアノ線が沖田総司のいるとことまで、
ピンと張られています。
矢は、それに沿って進みます。
山田 : There's a fine thread is tight
between the veranda and the wall down there
near him Okita Soshi, a member of Shinsengumi.
二階から細い糸が下の壁に向かって張られています。
その男の近くまで。
舞台の解説者は、簡単に、新撰組というけれど、
こっちは、そうはいかない。
新撰組って、何や?聞かれたら、こっちがパニックや。
約15分でおしまい。
ヾ(@^▽^@)ノ
映画村を巡り歩きます。ただ、
アイー
シャさん : Yamada san. Let's walk in the shadow.
We hate ultra violet ray.
山田さん、日陰を歩いてよ。
紫外線がいやなのよ。
山田 : (あるか!日陰なんか!)
Would you be patient till
we get to that building ?
がまんしてよ。あの建物まで。
建物の中に、写真撮影スタジオがあります。
誰でも、お姫様や、舞妓さん、芸子さん
に、変身可。
約10000円の化粧+貸衣装+着付け料金。
これに5000円ほどの写真代。
所用、約40分。
バベーヤさん、承諾。
待っている間バベーヤさんは、写真撮影。
山田、あくび。
バベーヤさん: Mr. Yamada。
You can go away till she makes all up.
山田さん、どっか、行ってきていいわよ。
ヽ(゚◇゚ )ノ
どっか行け、ゆわれても、映画村の中、
行きたい場所なんて、どこにも・・・ある!
食堂に入って、カレーを注文。
だって、お客様、食事抜きでも、元気はつらつ。
山田、かないませぬ。
その後も、時間つぶしで、あっち、うろうろ。
こっち、うろうろ。
ヾ(@^▽^@)ノ
やがて、40分が経過。写真スタジオに戻ってみた。
山田 : Oh, OHimesama.
あ、お姫様だ。
バベー
ヤさん : Yeah、Aisha.
You look charming in that attire.
ホント、アイーシャ、あんた、
そうしてると、きれいだわ。
(#⌒∇⌒#)ゞ
これからスタジオで、
プロのカメラマンによる写真が始まります。
山田、注文を付けます。
山田 : 何か、小道具を持たせてあげて下さい。
扇子とか。
実はさっき、扇子を買ったのです。
でも、それは、おみやげなので、車の中。
カメラ助手: この扇子でいいですか?
山田 : いいじゃない。
あんた、いいセンスしてるよ!
アイーシャさん、今度は、胸の前で扇を広げて、
にっこり。芸術だぜ。わお~
さて、写真撮影終了。
この姿で、練り歩きOKなのですが、アーシャさん、
「どこへも、行かないわ。」
もったいない。行けばいいのに。
ああ、たった、15分のお姫様。
たとえば、セミが何日も、土の中で暮らし、
ようやく、セミになったら、
3日で死んでしまうように。
美人短命とは、よく言ったもの。
この世に生を受け、たった15分の姫。
王子さまが、現れたらよかったのですが、
山田では、役不足のようで。
さて、只今、時刻は、午後4時ちょうど。
着替えたら、急ぎ足で、車に戻ります。
プリンさん : 何とか、金閣寺は、間に合うでしょう。
行ってみましょう。
【金閣寺】
やっぱり、京都観光で、ここをはずすと、あきまへんで。
五重塔、大文字、このよっつは、
サイフの中のお金にたとえると、
10000円札と、5000円札と1000円札と、
・・・もっかい、10000円札みたいなもの。
これを抜けば、あとは、小銭がじゃらじゃらするだけ。
英語でいうと、 MUST (行くべき場所)なのである。
さて、パーキング入り口で、非情のお告げ。
「5時閉門ですから、必ず、5時までに。」
山田 : 5時までに、金閣寺を出て、石不動に移動します。
係員 : ちがう、ちがう。5時までに、
ここを出てください。門を閉めてしまうのです。
山田 : うーん、やっぱり?
係員 : 厳守ですよ。 ヽ(`Д´)ノ
お茶も、おちおち飲めねえぜ。
大急ぎで、入場券を買います。
ただし、ここは、入場券とは、口がさけても言わない。
あくまでも、我々は、お寺参りに来た、ご信者さん。
奉納してお札をいただいたのです。
ところが、意外。あの、バベーヤさんも、
アイーシャさんも、大事そうに、
そのお札を持っています。
「へー?意外。」
金閣寺を目の前にして、おふたりは、感嘆。
アイー
シャさん : Beautiful ・・
きれいだわ・・・
as beautiful as you・・・
(あ、歯が浮いた。)
きれいですとも。この上なく。
あなたのように
(言い過ぎた。)
アイーシャ ; Thank you.
ありがとね。
まあ、彼女たちの名誉の
ために言うが、たしかに、べっぴんさんです。
鼻筋が通っていて、高く、
髪は、潤んだ黒で、肌は白。
【清水寺の閉門は午後6時。どうする?行ってみる?】
バベーヤさん: No, we won't.
Let's go instead to Fushimi Great Shrine.
行かないわ。伏見稲荷がいいわ。
山田 : Good place to see.
いいとこですよ。
バベー
ヤさん : Yeah, judging from the picture
on this page.
そうよね。このページの写真で見ると。
バベーヤさん、京都特集の雑誌を山田に見せます。
山田 : Then let's go.・・・・で、
いいですよね?プリンさん?
プリンさん : いいですよ。うちは、契約は、
午後10時までなので、今から、比叡山でも
大丈夫です。
山田 : ひえい・・・ヒエーヽ(;´ω`)ノ
私は、契約が午後8時までなので、
伏見稲荷のあと、食事したら、
もう、終わる時間になりますので、よろしく。
ヾ(@^▽^@)ノ
【伏見稲荷】
1000本鳥居に行くというのが、彼女たちの注文。
「では、参ろうぞ、姫。」
師団街道を下がります。
しばらく、進んで、そのあと、なかなか動きません。
夕方のラッシュアワーのようです。
大社前の信号機で、下車。
山田 ; じゃ、プリンさん、私たちは、
ここから歩いて、
伏見稲荷に行きますから、参集殿
の駐車場へ、回送お願いします。
プリンさん: 了解しました。
【千本鳥居】
手水舎も、本殿も、パス。
東大一直線がごとく、千本鳥居へ一直線。
ここで、バベーヤさん、
「さゆり」
を映画で見て、感動したと、激白。
山田 :さよか。
知らない山田は、つれない返事しかできず。
申し訳ない。ツタヤ行ってきます。
つづく