古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

パラソルの日陰で一休み

2009年07月25日 04時05分11秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 米価を維持するために、農協は今年も3割以上を休耕田にするよう指導しています。この村では去年、川のそばの二町五反ほどの田んぼを休耕田にして黒大豆をつくりました。ほとんどを機械がこなす米つくりとちがって、黒大豆の世話はとてもきつい仕事ですが。
 今年は営農組合で話し合って、山のほうの田んぼ二町五反を休耕田にして黒大豆をつくることになりました。なかには、ほとんどの田んぼが黒大豆に転用される家もあります。
 植えつけた黒大豆が伸びてきましたが、雨のおかげで雑草も盛り上がるようにびっしり生えてきました。このままでは黒大豆が雑草に負けてしまいます。そこで営農組合では除草剤を散布している最中です。背負い式のタンクに入れた薬剤を、先端にじょうご型のカバーをつけた噴霧器で畝間に散布していきます。黒大豆には絶対に薬剤がかからないようにしなければなりません。稲のほうも近くラジコンのヘリコプターで害虫防除の薬剤散布を行う予定です。こんなことをするのは、土を愛し大地の恵みに感謝して長年農業をやってきた人にはつらいことです。
 畝間にしゃがみ込んで草を抜いているといろんなことを考えます。
 たしかに農業の未来は、暗い。米をつくる人は高齢になり、あと数年もつくれるかどうか。子や孫はこの農地を引き継いでくれるか。米価は? 新型の便利な農業機械は欲しいけど……。この国の農業政策は? 農薬は? 
 そんな田んぼのなかにあって一つの田んぼだけ写真のようにパラソルなんか広げちゃったりして、なにをチャラチャラ家庭菜園なんかやってるんだ。
 新参者が地域のヒンシュクを買うようなことをしているのではないか。
 でもあえてベンチを置きテープルを置いて、お茶したりしながら畑仕事をしています。ときどき村の人が寄って声を掛けてくださいます。朝に夕にカナカナ蝉の声を聞きながら、ひとしきり作物の話をすることもあります。
 大地と田舎の自然が安らぎと癒しをあたえてくれる。それを意識する時間でもあります。
 
 
 
コメント
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