裏山に植えた『友禅欅』が大きくなりました。ケヤキというよりアキニレと同じ仲間で、「黄金緑」と表現される小さい葉が魅力です。他の若葉が日に日にしっかりした緑色になるのに、この木だけは遅くまで若葉の色をたのしませてくれます。盆栽品種として愛され、ネットにもいっぱい出品されています。植えて四年目。こんなに立派になるとは想像できませんでした。この木が裏山にあるだけでうれしくなります。
人は、いずれ、かならず、死にます。そして「ピンピンコロリ」《PPK》と死ぬのが願いだといいます。またそんな「理想的な死に方」を、だれもが一つや二つは身近に見聞しています。ぼくが聞いて一番感動した死に方の話をします。
ある人から年末に喪中ハガキが来ました。九十七歳でおとうさんが亡くなられたとあります。後日お会いしたときにその様子を聞いて感動しました。おとうさんは元気に暮らしておられました。散歩をしたり、畑の草を抜いたり、趣味の習字をしたりして。ある日、家族と朝ご飯を食べ、「ちょっと昼まで習字をしよう」と立ち上がって部屋に入られたそうです。お昼どきになっても姿が見えないので呼びに行ったら、習字の机に向かったまま亡くなっておられた。
病院でさまざまな管につながれて生かせられるのを望む人は少なくなりました。道子さんは「おばあちゃんは畑仕事をしていると思ったら畝間で死んでいた」というのが理想といいます。ぼくは裏山がいいかな。人生、そんなふうに最後まで思い通りにはならないでしょうが、でもそんな願いを持って生きるっていいですね。どうせ「あの世」には何にも持って行けないのですから。
なお前のブログの「マムシの写真」は削除しました。あの写真を見るとどうも胸騒ぎがするものですから。またあの写真を撮ったあと、トンビかアオサギがくわえていくかと様子を見ていたのですが、翌日になってもそのまま。『蛇塚』に埋葬しました。きょうは花を供える筒を新調します。マムシくん、きみも成仏しようね。