古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

モーツアルト/クラリネット5重奏曲を聴きました。

2013年12月07日 06時25分01秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
 数年前のある日、晩秋の陽を浴びて畑で野良仕事をしていたら、ぼくの頭の中で音楽が鳴りました。空耳(そらみみ)でなく。モーツアルトのクラリネット5重奏曲(K.581)の第2楽章でした。その余韻を慈(いつく)しむように、しばらく鍬(くわ)を持つ手を休めてあたりの景色を眺めていました。
 畑のそばのコナラから「ひら」また「ひら」と枯れ葉が落ちてゆきます。豆殻を燃やした煙がまっすぐ立ちのぼっています。田舎に暮らす〝しあわせ"が体をつつんでくれました。
 ぼくの持っているCDはカール・ライスターのクラリネットです。愛聴していますが、まだ演奏会でこの曲を聴いたことがありません。先日聴いたチャイコフスキー/第5番交響曲のように「直接演奏する空気の波動に身をさらしたい」と願っていました。
 その演奏会がきのう「やしろ国際学習塾L.O.Cホール」であり、夜聴きに行きました。チラシには
 《至福の瞬間(とき) …… 現代最高のクラリネット奏者 × 我が国最高のクァルテット!》
とあります。ポール・メイエのクラリネットにアルティ弦楽四重奏団でした。
 演奏がはじまりました。スピーカーで聴く音とちがってやわらかい。きのうは昼寝をしなかったものだから眠気が忍び寄り、夢見心地です。(寝てたかも)
 でも大好きな音楽だからぼくの耳はしっかり聴いてくれたでしょう。できれば木管コンクールのクラリネット協奏曲のように(10月にコスミック・ホールであり、朝から出掛けて8回聴きました)8回繰り返して聴いていたい。しあわせな時間でした。
 でもショックなことが。
 きのうは口吉川町老人クラブの「グランドゴルフ大会」が午前中にあり、ぼくも参加しました。無事におわって、うちの村はみんなで昼食をとって帰りました。午後は畑に出て黒大豆の畝を耕運しました。5時前に家に帰り、思いついて母の爪を切りました。夕食を待ちながら夕刊を広げたら、道子さんが「6時に出れば間に合うわね」。
 えっ? なにがあるの?/きょうは音楽会でしょ/えらいこっちゃ。忘れてた/なんとか間に合うから大丈夫よ/
 何ヶ月も前にチケットを買い、家の中に二ヶ所もチラシを貼って、それを眺めて演奏会をたのしみにしてたのに。その演奏会を忘れてたなんて。
 ぼくにはショックでしたが、読まれるみなさんにはショックでないかもしれません。
「老人にはそんなことあるある」って。
 来年から同じカレンダーを二つ買って並べてぶら下げ(2ヶ月がひと目で見れる)、そこにいろんな用事をすぐに書き込み、さらに大事なことは直前に紙に大きく書いて、挟み込むようにしているのですが。
 あーあ。どうか大きな「忘れ物」をしないで終点までいけますように。
コメント
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