古希からの田舎暮らし

古希近くなってから都市近郊に小さな家を建てて移り住む。田舎にとけこんでゆく日々の暮らしぶりをお伝えします。

ハンモックに横になって、空を見て考えたこと

2014年04月10日 03時34分15秒 | 古希からの田舎暮らし 80歳から
                         
 アマゾンに注文していたハンモックが届いたので、キウイの棚に吊ってみました。乗り方にコツがあるようで一度でんぐり返って落ちてしまいましたが、床上30センチなので大丈夫でした。
 写真用にカッコつけて本なんか見てるふりしてますが、ほんとうはクヌギの梢を見上げていました。
 竹藪に落ちたドングリから芽を出し、まわりの竹に負けないよう伸びたクヌギは、下から見上げると実に高く見えます。竹より数メートルは頭を出すのですから。いま梢に新芽の若葉がつきはじめています。
 青空。遥かな梢。若葉の新芽。夏なら葉が繁って木陰になる。秋は色づいた落ち葉がしずかに落ちてくる。
 首を反らせて見上げるのでなく、ゆったり横になってなんとなく見えてくる。
 たったそれだけのことなのに、新しい世界を見るような新鮮な視野です。
 5年前になりますか、裏山の頂上まで(わずかな距離でしたが)竹を伐り登ったとき、頂上の平坦な地面を見て「ここにハンモックを吊って乗ってみたいな」と思いました。それがキウイの棚をデッキにしたことでよみがえったのです。頂上まで登るのはしんどいけど、キウイの棚までなら標高差2メートルくらいだから老人でも大丈夫です。
 ハンモックは想像していたよりいい気分です。
 晴れた日に、太陽の温もりにつつまれて、ハンモックに横になり、空を見あげ、しあわせな気分のときに、地上のこの命が消える。

 この間から二人で〔三木市の桜〕を見てまわっていますが、花の下を歩きながら道子さんがときどき西行の歌を口にします。

    願わくは花の下にて春死なむそのきさらぎの望月の頃

 老いてゆくにつれて〔死〕に違和感がなくなるのはわるいことではない気がします。

 

 
 
コメント
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