上善如水

ホークの観察日記

『しゃべれども しゃべれども』

2009-08-28 18:24:18 | 映画

TOKIOの国分太一が、なかなか腕の上がらない落語家を演じた映画、

『しゃべれども しゃべれども』 を観ました。

監督は平山秀幸。2007年の作品です。

原作は佐藤多佳子さんの同名小説で、1997年度“「本の雑誌」ベスト10”の第1位にも選ばれています。

映画の中で出てくる

「好きなものから逃げると一生後悔する」

というセリフが印象的でした。

舞台は東京の下町。

普段から着物姿で、古典落語しかやらない、でもお客さんのうけはよくない”二つ目”(前座と真打の間)の落語家、今昔亭三つ葉に国分太一。

自分の落語さえ見つけられずにいるそんな彼が、ひょんなことから「話し方教室」をやることになるのですが、集った三人の生徒が、これがまた”しゃべる”ことにコンプレックスを抱えた者ばかり…

美人だけれど口下手で無愛想に見られてしまうクリーニング屋の娘(香里奈)

関西弁で東京の学校でからかわれてばかりいる小学生(森永悠希)

普段は毒舌なのに野球解説者としてはド下手な元プロ野球選手(松重豊)

登場人物が話し下手って役者さんも大変そう☆

口下手ってことを表現するためなのか、最初は映画のテンポがちょっと遅くてイライラしました。

でも、しゃべることが苦手な人って、一生懸命話そうとはしているんですよね。

それがなかなか伝わらない。

伝え方が分からない。

みんな、今の自分を変えたいと思っている。

このままじゃいけないと思っている。

しゃべれどもしゃべれども伝わらない思い…

自分も決してしゃべることが得意ではないので、映画の登場人物たちに感情移入してしまって、「うんうん」と思わずうなずいてしまいました。

もっとも途中からは

「そこで言わなきゃ!」とか「何かしゃべれ!」と思わず叫びたくなりましたけど。

爽快感はありませんが、じんわりと心にしみる映画でした。

国分太一くんの落語のシーンもよかった。

「半鐘はおよしよ、おジャンになるから」というオチで有名な、

『火焔太鼓』という古典落語をやるのですが、なかなか味があってよかった♪

落語の魅力も満載です☆

でも、個人的には太一くんの祖母役で出演されていた八千草薫さんが、孫の教室を聞いているうちに覚えてしまった落語のくだりを、掃除をしながらつぶやくのですが、それが誰よりもうまくて面白かった♪

さすが名女優。

あと、今回ヒロイン役の香里奈さん。

さすがモデルだけあってキレイでした。

いや、ただそれだけなんですけどね。