ブタの鼻と耳を持つ女の子、ペネロピがありのままの自分を受け入れるまでを描く映画、
『ペネロピ』を見ました。
監督はマーク・パランスキー。
主演は『アダムス・ファミリー』で、おでこちゃんのウェンズデーを演じたクリスティーナ・リッチ。
恋人役には『ナルニア国物語/第一章ライオンと魔女』でタムナスさんを演じたジェームズ・マカヴォイ。
2006年制作。2008年公開の映画です。
先祖がかけられた呪いのため、ブタの鼻と耳を持って生まれた名家の一人娘ペネロピ。
社交界でも有名な名士の両親は、スキャンダルを狙うパパラッチや世間の好奇の目を避けるため、娘は死んだと発表し、大きなお屋敷から一歩も出ることなくペネロピは成長していきます。
ペネロピにかけられた呪いを解く方法は一つだけ。
ブタ鼻のペネロピを愛する者が現れること…
何とか娘を”普通の人間”にしたいと願う母親は、ペネロピが18歳になると、名家の独身男を集めてペネロピとお見合いをさせます。
ところがどの男もどの男も、ペネロピの素顔を見たとたん逃げ出すしまつ。
そんなことが7年間も続いたある日、かつてスキャンダルの匂いをかぎつけて忍び込んだこともある新聞記者が、ある男をお見合い相手に仕立ててペネロピの元に送り込みます。
狙いはペネロピの顔写真を撮ること…
カラフルだけれど、どこか閉じ込められた世界を象徴しているペネロピの部屋が個性的で魅力です♪
鳥の羽のようなウェディングドレスや、シャボン玉の飛び交う遊園地など、心象風景のようなセットや衣装もファンタジーのよう☆
そして何より、ブタ鼻の主人公、ペネロピがとってもキュート!!
ペネロピはブタの鼻をしていますが、母親との関係は普通の親子と変わりありません。
言い争いもするし、押し付けられる価値観に反発もするし、自由になって自分の力を試してみたいとも思っている。
でもやっぱり自分の容姿にコンプレックスがあって、強がってはいてもお見合い相手に拒否されるたびに傷つくし、両親を悲しませている自分に罪悪感も持っている。
だから親の望み通りに生きることも考え、結婚式なんかにものぞんだりするペネロピですが、「普通の人間に戻れる」「生まれ変われるのよ」と叫ぶ母親に言い返します。
「私は変わりたくないの! 今のままの自分が好きなの!」
王子さまが現れてお姫様の呪いを解く昔話じゃなくて、これはコンプレックスを抱えた普通の女の子が、ありのままの自分を受け入れるために悩んだり葛藤したりジタバタする映画です☆
ペネロピが家を飛び出して自活しようとする姿がいい♪
町で知り合うペネロピの親友アニー(リース・ウィザースプーン)のキャラクターがいい♪
自分を幸せにしてくれるのは他人じゃなくて、自分自身なんだというメッセージがいい♪♪
娘のことを思うあまりすれ違ってしまう母親の行動もうまく表現されているし(ちょっとかわいそうだけれど…)
「話をするブタ」としてペネロピを追い掛け回す新聞記者が、しだいにペネロピを1人の人間として見るようになっていく姿もちょっとジーンと来ました。
そして何より、タムナスさんを演じたジェームズ・マカヴォイが、ペネロピと接するうちに人間の外見に囚われず、その人の中身を見て変わっていく様子がよかった。
それはペネロピも同じで、自分の容姿にコンプレックスを持つ人すべてに見て欲しい映画。
とくに中学生のような若い人に見て欲しいと思いました。
いい映画だったなぁ~☆